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行政書士の記帳代行の相場は?報酬調査134人の分布と頼める範囲

行政書士に記帳代行を頼む相場は、日本行政書士会連合会の2026年1月の調査で最頻値3万3,000円、回答134人の55.2%が6万円未満でした。平均12万円台が高く見える理由と、申告は頼めない範囲、向く会社の条件を整理します。

行政書士の記帳代行の相場は?報酬調査134人の分布と頼める範囲

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行政書士に記帳代行を頼む相場は、1回の報酬で3万3,000円前後が最も多い価格帯です。日本行政書士会連合会の調査では、回答134人の55.2%が6万円未満でした。一方で平均は12万2,736円と高く出ます。月ごとの記帳と年1回の決算書づくりが同じ項目で集計されているためです。

この記事は、付き合いのある行政書士に記帳も頼めるか迷っていて、料金の目安と頼める範囲を知りたい中小企業の経営者・管理部門の責任者向けです。

※ 2026年10月時点の情報です。報酬の数字は2026年1月実施の調査、条文は2026年10月にe-Gov法令検索で確認した現行のものです。

この記事でわかること
  • 行政書士の記帳代行の報酬の分布(回答134人)
  • 平均12万円台が高く見える理由と、見積もりの読み方
  • 行政書士に頼める記帳と、頼めない申告・税務相談
  • 行政書士に記帳を頼むのが向く会社・向かない会社

行政書士の記帳代行の相場はいくらか

行政書士の記帳代行は、6万円未満で受ける事務所が55.2%と半数を超えます。数字の出どころは、日本行政書士会連合会の「令和7年度報酬額統計調査」です。2026年1月に実施され、金額は消費税込み・立替金抜きで集計されています。

行政書士の記帳代行とは、行政書士が依頼を受けて仕訳を起こし、会計帳簿や決算書類を作る業務です。調査では「会計記帳・決算書類作成」という1つの項目で集計されています。

日本行政書士会連合会の報酬額統計調査の結果から、会計記帳の項目を抜き出したのが次の表です。

行政書士の会計記帳の報酬分布。2万〜4万円が32人で最多、10万〜20万円が27人で2番目
報酬の価格帯 回答した人数 割合
2万円未満 18人 13.4%
2万〜4万円 32人 23.9%
4万〜6万円 24人 17.9%
6万〜8万円 10人 7.5%
8万〜10万円 2人 1.5%
10万〜20万円 27人 20.1%
20万〜30万円 12人 9.0%
30万円以上 9人 6.7%
上の表の『回答した人数』をグラフにしたもの2万円未満18人2万〜4万円32人4万〜6万円24人6万〜8万円10人8万〜10万円2人10万〜20万円27人20万〜30万円12人30万円以上9人
上の表の『回答した人数』をグラフにしたもの

最も多い金額(最頻値)は3万3,000円で、9件ありました。最小は5,000円、最大は314万1,298円です。

表を上から足すと、4万円未満が37.3%、6万円未満が55.2%になります。真ん中の事務所は4万〜6万円の帯にいます。

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平均12万円台を相場と読んではいけない理由

平均の12万2,736円は、一部の高額な回答に引っ張られた数字です。10万円以上と答えた人は48人で、全体の35.8%でした。山が「2万〜6万円」と「10万〜20万円」の2つに分かれています。

山が2つある理由は、調査の項目名から読み取れます。項目は「会計記帳・決算書類作成」で、月額か年額かの区別がありません。毎月の記帳だけの料金と、1年分の帳簿から決算書までの料金が混ざっていると考えるのが自然です。

ここからは私たちの見立てです。月の記帳だけなら下の山、年1回の決算書づくりまでなら上の山と読むと、見積もりと比べやすくなります。

見積もりを取るときは、次の3つを必ず書面で確かめてください。

  • 金額は月額か、年額か、1回ごとか
  • 何件の仕訳まで含むか(超えたら1件いくらか)
  • 決算書(貸借対照表・損益計算書)の作成は含むか
注意: 平均値で予算を組まない
平均12万円台を月額と思い込むと、頼む前に候補から外してしまいます。逆に3万円台を年額と思い込むと、毎月の請求で予算が足りなくなります。

ほかの依頼先の料金は、税理士の記帳代行報酬相場と経理BPO比較と記帳代行の費用相場|依頼先別の料金と抑える4つのコツにまとめています。

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行政書士に頼める記帳と頼めない申告

行政書士は帳簿づくりまでは頼めますが、税務申告と個別の税務相談は頼めません。ここを知らずに頼むと、決算の時期に税理士を探し直すことになります。

行政書士の業務は、行政書士法の第1条の3に書かれています。官公署に出す書類のほか、「権利義務又は事実証明に関する書類」の作成が業務です。会計帳簿はこの事実証明に関する書類として扱われ、先の調査にも「会計記帳・決算書類作成」の項目があります。

税理士法の第2条第2項では、会計帳簿の記帳の代行は税理士業務に「付随」する事務とされています。記帳の代行そのものは税理士の独占業務ではありません。

独占なのは、第2条第1項の税務代理・税務書類の作成・税務相談の3つです。第52条で、税理士でない者が行うことは禁じられています。行政書士が作れる税務書類は、第51条の2が定める自動車税などの一部の地方税に限られます。

依頼先ごとに頼める業務の比較表。申告書と税務相談は税理士だけ、建設業の事業年度終了届は行政書士だけ
業務 行政書士 税理士 経理BPO会社
仕訳と帳簿の作成 ○ ○ ○
法人税・所得税の申告書 × ○ ×
個別の税務相談 × ○ ×
建設業の事業年度終了届 ○ × ×

表は、両方の資格を持つ人を除いた場合の整理です。違反になる具体例は記帳代行は税理士法違反?3つの独占業務とNG事例で詳しく扱っています。

行政書士に記帳を頼むのが向く会社・向かない会社

建設業許可の届出を任せているなら行政書士、申告まで1つの窓口にしたいなら税理士が向きます。毎月の取引が多くて締めを早めたいなら、経理BPOが候補になります。

分かれ目を3つの状況に分けました。

  • 建設業許可があり、申告は顧問税理士か自分で済ませているなら、行政書士に記帳を頼む利点があります。毎年の事業年度終了届に使う財務諸表を、同じ事務所が帳簿から作れるためです
  • 記帳・決算・申告を1か所にまとめたいなら、税理士に頼むほうが話が早くなります。行政書士に記帳を頼むと、申告のために税理士とのやり取りが別に発生します
  • 月の取引が多く、締めの遅れに困っているなら、経理BPOで日々の処理ごと外に出す方法があります(選び方は経理BPOの選び方で扱っています)

同じ調査で、建設業の事業年度終了の届出(大臣許可の項目を除く)は1,029人が回答していました。最頻値は3万3,000円、平均は4万2,997円です。会計記帳に答えた134人は、その7分の1に満たない人数でした。記帳を料金表に載せている事務所は、届出に比べて探しにくいと考えておくと安全です。

私たちの経理BPOでは、2024年4月〜2026年8月に導入した10社を集計しました。月次決算が締まるまでの日数は、中央値で15日から7日に縮みました。個社差は大きく、全社が同じように縮むわけではありません。

2023年1月〜2026年8月に契約した経理BPO10社のうち、2年以内に解約したのは1社でした(継続率90%)。

行政書士への記帳依頼でよくある失敗

失敗の多くは、頼む範囲と料金の単位を決めないまま始めることで起きます。起きたこと・原因・避け方の順に3つ挙げます。

失敗1: 決算の時期に申告を断られる

起きたことは、帳簿はできたのに申告書を作ってもらえない状態です。原因は、申告が税理士の独占業務だと知らずに頼んだことにあります。避け方は、依頼の前に申告の担い手を決めておくことです。顧問税理士がいるなら、帳簿の受け渡し形式(会計ソフトのデータか紙か)を先にそろえます。

失敗2: 月額と年額を取り違えて予算が狂う

起きたことは、3万円台の見積もりを年額と思い、毎月の請求で驚く状態です。原因は、見積もりの金額だけを見て、単位を確かめなかったことです。避け方は、見積書に「月額」「年額」のどちらかを明記してもらうことです。

失敗3: 節税の相談をして答えがもらえない

起きたことは、記帳を頼んだ相手に「この経費は落とせるか」と聞いて断られる状態です。原因は、個別の税務相談も税理士の独占業務である点にあります。避け方は、税の判断が要る質問を税理士へ回す流れを最初に決めることです。

当社は補助金を使った会計ソフトの導入支援を手がけています。その現場でも、記帳と申告を誰が持つかが決まらないまま、ソフトだけ先に入れてしまう会社を見てきました。担い手を決めてから道具を選ぶ順番のほうが、後の手戻りは少なくなります。

見積もりを頼む前に用意する3つのこと

見積もりの前に、取引件数・申告の担い手・料金の単位の3つを決めておきます。これがそろうと、行政書士・税理士・経理BPOの見積もりを同じ物差しで比べられます。

見積もりを頼むまでの3段階。取引件数を数える、申告の担い手を決める、月額か年額かを指定する
  1. 月ごとの取引件数を数える: 通帳の行数と、請求書・領収書の枚数を直近3か月分数えます
  2. 決算と申告を誰が担うか決める: 顧問税理士がいるか、自分で申告するかを書き出します
  3. 月額か年額かを指定して見積もりを取る: 同じ条件で2〜3か所に出すと、価格帯のどこにいるかが分かります

今日できる一歩は、先月の通帳の行数を数えることです。行数が分かるだけで、見積もりの話が具体的になります。依頼先の比べ方は経理代行の選び方5選|比較軸と契約前チェックリストも参考にしてください。

よくある質問

行政書士の記帳代行の相場はいくらですか?

日行連の2026年1月の調査では最頻値が3万3,000円で、回答134人の55.2%が6万円未満でした。

行政書士に記帳を頼むと確定申告までしてもらえますか?

できません。申告書の作成と個別の税務相談は税理士の独占業務で、申告は税理士に別に頼みます。

行政書士に記帳を頼むのが向くのはどんな会社ですか?

建設業許可の毎年の届出を同じ事務所に任せていて、申告は自社か顧問税理士で済ませる会社です。

行政書士に記帳を頼むのが向かないのはどんな場合ですか?

毎月の取引が多く締めを急ぎたい会社や、記帳と申告の窓口を1つにまとめたい会社には向きません。

見積もりを頼む前に何を用意すればよいですか?

直近3か月の月ごとの取引件数、決算と申告を誰が担うか、料金を月額と年額のどちらで出すかの3点です。

記帳を外に任せると月次の締めは早くなりますか?

当社が経理BPOを導入した10社では、締めまでの日数の中央値が15日から7日に縮みました。

まとめ: 相場は「単位」と「範囲」をそろえて読む

行政書士の記帳代行は3万3,000円前後が最も多い一方、月額か年額かで意味が変わるため、単位をそろえないと高いか安いかは判断できません。帳簿づくりまでは頼めても、申告と税務相談は税理士の領分です。

建設業の届出と一緒に任せたいなら行政書士、1つの窓口にまとめたいなら税理士が合います。日々の処理ごと外に出して締めを早めたいなら、経理BPOという選択肢もあります。記帳の範囲や依頼先の違いは、記帳代行とは?できる範囲と失敗しやすい3つの落とし穴で基礎から確かめられます。

まずは、無料相談から。

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