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経理の時給相場と直接雇用の決め方|106万円の壁撤廃対応

経理の時給相場は、直接雇用のアルバイト・パートで全国平均1,281円が目安です。2026年10月の106万円の壁撤廃で経理パートの採用条件は大きく変わります。週20時間を基準にしたシフト設計と支払い額の試算、BPO・派遣との比較を2026年8月時点の情報で解説します。

経理の時給相場と直接雇用の決め方|106万円の壁撤廃対応

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経理の時給相場は、直接雇用のアルバイト・パートで全国平均1,281円、派遣社員では1,587円です。さらに2026年10月には社会保険の加入基準そのものが変わり、経理パートの採用条件を見直す必要が出てきます。時給の水準だけでなく、制度変更を踏まえた勤務時間の設計まで含めて検討することが、直接雇用で失敗しないポイントです。

この記事は、経理担当者をパート・アルバイトとして直接雇用するか検討していて、時給相場と2026年10月の制度変更の両方を把握したい中小企業の経営者・管理部門責任者向けです。

※ 2026年8月時点の情報です。

この記事でわかること

  • 雇用形態別の経理の時給相場
  • 経理パートに任せられる業務・任せられない業務
  • 2026年10月の106万円の壁撤廃で変わる採用条件
  • 直接雇用とBPO・派遣の費用比較

経理の時給相場は雇用形態でどう違う?

経理の時給相場は、直接雇用のアルバイト・パートで全国平均1,281円が目安です。

経理の時給相場とは、記帳や請求書処理などの経理業務を担う人材を雇用する際の、1時間あたりの支払い水準を指します。雇用形態・勤務地域・任せる業務内容の3つで大きく変わります。同じ「経理」でも、単純作業だけを任せる場合と月次決算まで任せる場合とでは、相場そのものが別物になる点に注意してください。

求人ボックス給料ナビが2026年7月21日時点で公表したデータによると、経理職の平均時給はアルバイト・パートで1,281円、派遣社員で1,587円でした。

雇用形態・地域 時給の目安 出典
アルバイト・パート(全国平均) 1,281円 求人ボックス給料ナビ(2026年7月)
派遣社員(全国平均) 1,587円 求人ボックス給料ナビ(2026年7月)
アルバイト・パート(東京都) 1,640円 バイトル(2026年1月)
アルバイト・パート(大阪・単純作業) 1,000円〜1,100円 freee(2026年8月時点)

正社員採用の場合は、月給を実働時間で割ると時給換算2,000円を超えることが一般的です。地域によっても差があり、首都圏は企業の集積度が高く経理職の求人需要も高いため、時給が押し上げられやすい傾向があります。

経理パートの時給を左右する4つの要因: 雇用形態、勤務地域、任せる業務内容、週の労働時間
経理パートの時給を左右する4つの要因

私たちが中小企業の経理体制づくりを支援する中でも、「相場を確認せず、近隣の求人票を1件だけ見て時給を決めた」経営者の相談を受けることがあります。全国平均だけでなく、自社の地域相場を確認しておくことが、条件のミスマッチを防ぐ出発点になります。

経理パートに任せられる業務・任せられない業務

領収書整理などの単純作業と、判断を伴う業務とでは任せられる範囲が異なります。

freeeのコラムでは、経理アルバイトに任せられる業務は「単純作業」に限定されるとされ、具体例として領収書整理・会計ソフト入力前のデータ作成・請求書のやり取りが挙げられています。複雑な判断が必要な業務は、時給を上げても任せるべきではないという指摘です。

一方、月次試算表の作成や仕訳の妥当性判断まで任せたい場合は、単純作業より高い時給を提示しないと人材が集まりにくくなります。募集をかける前に、任せたい業務を「単純作業」と「判断を伴う業務」に切り分けておくことが、相場とのズレを防ぎます。

私も、業務範囲を明確にしないまま募集し、応募者のスキルと求める業務にズレが生じた企業の相談を受けたことがあります。時給を決める前に、業務の切り分けを済ませておいてください。将来的に業務範囲を広げる可能性がある場合は、その旨も募集時に伝えておくと、後からの条件変更をスムーズに進めやすくなります。

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【2026年10月】106万円の壁撤廃で経理パートの採用条件はどう変わる

2026年10月に106万円の壁が撤廃され、週20時間の労働時間が新たな加入基準になります。

年金制度改正法の成立により、「月額88,000円以上(年収106万円)」の賃金要件は2026年10月までに撤廃される見込みです。撤廃後は、週の所定労働時間が20時間以上かどうかが社会保険の加入判定の基準になります。これまで年収を基準に働く時間を調整していたパートスタッフは、判断軸そのものを変える必要があります。

経理パートの採用でも同様です。「時給が上がっても年収106万円を超えないように」という交渉は、2026年10月以降は前提から成り立たなくなります。募集条件を決める際は、週の労働時間を軸に社会保険の加入・非加入を設計する発想に切り替えてください。

会計ソフトの操作経験を求める場合も、この基準は変わりません。当社は補助金を使った会計ソフト・受発注ソフトの導入支援を手がけており、中小企業が経理業務のどこでつまずくかを申請の現場で見てきました。制度変更のタイミングは、募集条件を見直す好機でもあります。

週20時間を基準にしたシフト設計と支払い額シミュレーション

週19時間と20時間以上とでは、企業が負担する月額費用に大きな差が出ます。

時給1,300円で週19時間(社会保険の加入基準未満)働いてもらう場合、月の支払額はおよそ10万6,000円です。

同じ時給で週20時間以上働いてもらうと、月の支払額が増えるだけでなく、企業側も厚生年金・健康保険料の半分を負担することになります。目安として、月給換算額の約15%が社会保険料の企業負担分として上乗せされると考えておくと、実質コストを見誤りにくくなります。

週の勤務時間を19時間にするか20時間以上にするかで、企業の年間負担額は数十万円単位で変わってきます。繁忙期だけ20時間を超える働き方をしてもらう場合は、月ごとの平均時間で加入判定されるケースもあるため、社会保険労務士への確認が欠かせません。採用条件を決める段階で、社会保険料の試算まで済ませておいてください。

130万円の壁(扶養ライン)との違いに注意

130万円の壁は撤廃されず、2026年4月から労働契約書ベースで判定されるようになります。

注意: 106万円の壁と130万円の壁は別物
106万円の壁は週20時間という労働時間基準に置き換わりますが、130万円の壁(配偶者の扶養に入れるかどうかの基準)は残ります。2026年4月からは、実績ではなく労働契約書に記載された年収見込みで判定されるようになります。

これまでは、繁忙期に一時的に収入が130万円を超えると扶養から外れる扱いでしたが、契約上の年収が130万円未満であれば、一時的な収入増だけでは扶養から外れない扱いに変わります。経理パートに繁忙期だけ多く働いてもらいたい企業にとっては、シフトを組みやすくなる変更です。

対象となる報酬の範囲も異なります。106万円の壁は基本給と諸手当が対象ですが、130万円の壁は賞与や通勤手当・家族手当まで含めて判定される点も押さえておいてください。

項目 106万円の壁 130万円の壁
対象報酬 基本給・諸手当のみ 賞与・通勤手当・家族手当も含む
2026年以降 撤廃予定(週20時間基準に移行) 存続(判定方法は変更)
判定基準 週の労働時間(20時間以上) 2026年4月から契約書ベース

同じ「年収の壁」でも、対象となる報酬や判定基準がまったく異なる点に注意してください。経理パートの募集条件を決める際は、どちらの基準で考えているのかを社内で明確にしておいてください。

直接雇用でかかる採用・教育コストの見積もり方

時給以外にも、求人広告費や教育にかかる工数がコストとして発生します。

直接雇用は、時給を派遣より抑えられる一方、募集広告費・面接対応・入社後の教育コストを自社で負担します。時給の安さの先に待っているのは、募集と教育にかかる想定外の手間とコスト。時給だけで直接雇用を選ぶと、この部分を見落としやすくなります。

求人媒体への掲載費は数万円〜十数万円、面接対応や入社後のOJTにかかる社内工数も、時給には表れないコストです。「時給×勤務時間」だけを見て予算を組むと、実際の負担額とのズレに後から気づくことになりかねません。採用時の紹介手数料や賞与の積み立ても、時給換算だけでは見えない固定費の代表例。募集条件を固める前に、採用コストと教育コストの概算も出しておいてください。

経理を直接雇用すべきか、BPO・派遣に任せるべきかの判断軸

業務量が安定しているなら直接雇用、変動するなら外注のほうが費用は安定します。

直接雇用は、繁忙期に合わせて時給や勤務時間を都度調整しにくいという制約があります。業務量が月によって変動する企業では、変動費として依頼できる経理BPOのほうが、費用面で合理的になる場合があります。派遣の時給相場や実質コストの計算方法は、経理派遣の時給相場|経験・地域別の目安と実質コストの計算法で詳しく解説しています。

給与計算だけを切り出して外注したい場合の費用感は、給与計算の外注費用はいくら?【2026年】人数別シミュレーションで解説しています。記帳業務のみを依頼したい場合は、記帳代行の費用相場|依頼先別の料金と抑える4つのコツも参考になります。

自社に向いているのが直接雇用か外注かを見極める判断基準は、経理外注の判断基準5つ|自社に向いているかのチェックリストにまとめています。BPOと派遣の違いを踏まえて選びたい場合は、経理BPOと人材派遣の違い5つ|費用・契約形態を比較も参考にしてください。

経理パートの募集条件を固める前に確認したい3つのポイント

業務範囲・社会保険の加入ライン・外注との比較の3点を先に確認してください。

経理パート募集条件のNGとOK: NG例は時給の安さだけで募集条件を決める・任せる業務範囲を曖昧なまま募集する・週の労働時間と社会保険の関係を確認しない・外注との費用比較をしない。OK例は地域・業務内容ごとの相場で判断する・任せる業務を先に言語化する・106万円の壁撤廃後の基準で設計する・BPO・派遣の費用も並べて比較する
経理パート募集条件のNGとOK

相場より低い時給で募集をかけるのはNG運用です。応募が集まらないだけでなく、採用までの期間が延びて機会損失が積み重なります。任せたい業務内容に見合った時給を、地域相場を踏まえて設定してください。

業務範囲を曖昧にしたまま募集するのも避けたい進め方です。「経理ができる人なら誰でもいい」という条件では、単純作業しかできない人材と、判断業務まで任せられる人材の見分けがつきません。募集前に業務を切り分けておくことが欠かせません。

週の労働時間と社会保険の関係を確認しないまま条件を決めるのも失敗につながります。2026年10月の106万円の壁撤廃後は、週20時間という新しい基準を前提に、シフトを設計し直す必要があります。

直接雇用・派遣・BPOのどれが自社に合うか迷う場合は、経理BPOの無料相談で相談することもできます。相場と制度変更の両方を把握したうえで比較検討すれば、条件のミスマッチはかなり防げます。

募集を出す前に、業務を切り出しておく

「経理ができる人」を募集すると、応募者の想定と実際の仕事がずれます。先に業務を切り出してください。

書き出すのは3つです。

  • 毎月決まってある作業(仕訳入力、請求書発行、支払処理など)
  • 月末・期末だけの作業(締め、残高確認)
  • 判断が要る作業(勘定科目の判断、税務の確認)

3つ目を任せるかどうかで、必要な経験も時給も変わります。判断まで任せるなら実務経験者、入力中心なら未経験でも育てられます。

募集要項には「何のソフトを使うか」を必ず書いてください。会計ソフトの経験は業務の立ち上がり速度に直結します。freeeとマネーフォワードでは操作が違い、慣れるまでに時間がかかります。

採用してから業務を切り出そうとすると、教える人の時間が先に消えます。募集の前に終えておく作業です。

よくある質問

経理の時給相場はどのくらいですか?

直接雇用のアルバイト・パートで全国平均1,281円、派遣は1,587円が目安です。

経理パートに任せられない業務はありますか?

月次決算や税務判断など、専門知識を要する複雑な業務は向きません。

106万円の壁は2026年10月にどう変わりますか?

賃金要件が撤廃され、週20時間の労働時間が新たな加入基準になります。

130万円の壁も同時に撤廃されますか?

撤廃されません。2026年4月から労働契約書ベースの判定に変わります。

経理パートを直接雇用する際に注意すべきコストは何ですか?

時給に加えて、求人広告費・社会保険料・教育コストがかかります。

経理を直接雇用するのとBPOに委託するのはどちらが安いですか?

業務量が変動する場合は、外注のほうが費用が安定しやすいです。

まとめ: 経理の時給は「相場」と「制度変更」の両輪で決める

経理の時給相場は雇用形態・地域・業務内容で大きく変わり、2026年10月の106万円の壁撤廃で採用条件の前提そのものが変わります。時給だけを見て条件を決めると、社会保険料や教育コストを含めた実質負担、制度変更後の基準を見誤りやすくなります。

自社に合うのが直接雇用か、派遣か、BPOかの判断がつかない場合は、経理BPOの無料相談で、時給相場と制度変更の両面から相談することもできます。まずは任せたい業務を洗い出し、週20時間を基準にしたシフト設計を検討するところから始めてください。

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