freeeの経費精算のやり方は、レシートを撮影し、AIが読み取った内容を確認したうえで勘定科目を選び、申請するという4ステップが基本です。申請する前に経費科目・申請経路・ICカード連携という3つの初期設定を済ませておくと、以降の申請作業が大きく短縮できます。本記事では、初期設定・申請の4ステップ・交通費の連携・承認フロー・よくある失敗まで解説します。
この記事は、freeeで経費精算を始めようとしている個人事業主・中小企業の経営者や経理担当者向けです。
※ 2026年8月時点の情報です。
この記事でわかること
- 経費精算を始める前の初期設定3つ
- 申請の基本4ステップ
- 交通費をICカード連携で楽にする方法
- 承認フローの作り方とよくある失敗
freeeの経費精算とは?できることの全体像
freeeの経費精算とは、従業員や経営者がスマホやWebで立て替え経費を申請し、承認を経てそのまま会計データに反映される仕組みのことです。紙の申請書やExcelでの集計作業を減らせる点が特徴です。
関連する内容としてフリーランスの経理のやり方も公開しています。
freeeの経費精算とは、レシートの撮影・ICカード連携などで経費情報を自動入力し、申請から承認、仕訳への反映までを一連の流れとして処理する機能のことです。個人事業主から複数人の会社まで、規模を問わず使えます。
freeeの経費精算は初期設定から始まる
当社は補助金を使った会計ソフト・受発注ソフトの導入支援を手がけており、中小企業が経理業務のどこでつまずくかを申請の現場で見てきました。クラウド会計ソフトを導入しても、初期設定を済ませないまま使い始めて、結局手間が減らないという相談は少なくありません。
freee株式会社が2026年6月に公表したプレスリリースがあります。この発表では、freeeの有料課金ユーザー数が2026年3月末時点で71万事業所を超えたと報告されています。規模の小さい会社でも導入が進んでいる背景には、経費精算のような日々の作業を自動化できる点があります。
個人事業主が使う場合は、経費精算というより「事業用口座と生活用の立て替えを分ける」目的で使うことが多くなります。法人のように複数人の承認は不要でも、レシートを撮影して科目を選ぶ流れ自体は同じです。フリーランスで取引先ごとに経費を分けたい場合も、申請時にメモを添えておくと、あとから集計しやすくなります。
freeeで経費精算を始める前の初期設定3つ
freeeの経費精算を使い始める前に、経費科目の確認・申請経路の設定・ICカードの連携という3つを済ませておく必要があります。
freeeで経費精算を始める前の初期設定3つ
1つ目は、経費科目の確認です。旅費交通費・消耗品費・会議費といった科目が自社の分類に合っているかを、申請を始める前に見直しておきます。
2つ目は、申請経路の設定です。freeeでは「まず部長、次に経理が承認する」といった経路を、部署や金額に応じて設定できます。設定を後回しにすると、申請が特定の担当者に集中してしまいます。
3つ目は、ICカードの連携です。交通系ICカードをスマホのNFCで読み取れるようにしておくと、次章で説明する交通費の入力が大きく楽になります。
経費科目は、業種によって使う頻度が大きく変わります。自社で申請が発生しやすい科目だけを絞り込んでおくと、申請者が毎回科目を探す手間を減らせます。
| 経費科目 |
対象になる支出の例 |
| 旅費交通費 |
電車・タクシー代、出張の宿泊費 |
| 会議費 |
打ち合わせ時の飲食代 |
| 消耗品費 |
事務用品、10万円未満の備品 |
| 通信費 |
業務用の携帯電話代、インターネット料金 |
| 接待交際費 |
取引先との会食、贈答品 |
freeeの公式ヘルプセンターが公開している「freee会計を使った経費精算の流れ」があります。この情報では、申請された経費は承認・差戻し・却下のいずれかで処理されると説明されています。初期設定の段階で、誰が承認者になるかまで決めておくと、この処理がスムーズに進みます。
経理自動化ツール全般の選び方は、経理自動化ツールとは?機能5分類と失敗しない選び方でも解説しています。
経費精算を申請する基本4ステップ
freeeでの経費精算申請は、レシートを撮影する・自動入力を確認する・勘定科目を選ぶ・申請する、という4ステップで進みます。
部門が複数あり承認フローが複雑な会社は、経費精算に特化した楽楽精算の経費精算のやり方も比較検討する価値があります。詳しくは楽楽精算の経費精算のやり方でまとめています。
経費精算を申請する基本4ステップ
ステップ1では、freeeアプリの「+」ボタンから「経費を申請」を選び、レシートを撮影します。AIが金額・日付・支払先を自動で読み取るため、手入力の手間がほとんどかかりません。
ステップ2では、自動入力された内容を確認します。文字がかすれたレシートなどは誤読することもあるため、金額と日付だけは必ず目視で確認する習慣をつけてください。
ステップ3では、経費科目を選びます。旅費交通費・会議費・消耗品費など、初期設定で確認した科目から該当するものを選びます。
ステップ4では、内容を確定して申請します。申請後は、事前に設定した経路に沿って承認者へ通知が届きます。
4つのステップは一見多く見えますが、レシート1枚あたりの操作は1〜2分程度で完了します。紙の申請書に手書きしていた頃と比べると、作業時間の差は明確です。
交通費はICカード連携でどう楽になるか
交通費は、SuicaやPASMOなどのICカードをスマホで読み取るだけで、乗降駅と金額が自動入力されます。
一つひとつの乗車区間をメモしたり、駅名を手入力したりする必要はもうありません。手入力ゼロで完結する交通費申請、これがICカード連携の最大のメリットです。
ICカードの残高がそのまま経費データになるわけではなく、利用履歴から交通費とみなせる区間を選んで申請する操作は必要です。全区間が自動で経費になるわけではない点は、事前に理解しておくと戸惑いません。
私も個人事業主の相談を受ける中で、交通費の入力だけで月数時間かかっていたというケースに出会ったことがあります。ICカード連携は、こうした細かい積み重ねの時間を減らす効果が大きい機能です。
スマホアプリとWeb版のどちらからでも申請できますが、外出先での申請はアプリ、まとめて確認・修正する作業はWeb版が向いています。出張が多い担当者は移動中にアプリで申請を済ませ、月末にWeb版で一覧を見返して漏れがないか確認する、という使い分けをすると効率的です。
承認者側の処理の流れと申請経路の設定
承認者は、申請された経費の内容を確認し、承認・差し戻し・却下のいずれかを選んで処理します。
| 処理 |
内容 |
申請者側の対応 |
| 承認 |
内容に問題がなく確定する |
対応不要(仕訳へ自動反映) |
| 差し戻し |
科目や金額の修正が必要 |
内容を修正して再提出する |
| 却下 |
経費として認められない |
申請を取り下げる |
freeeのトップページには、承認待ちの申請がある場合に通知が表示されるため、確認漏れを防ぎやすい仕組みになっています。差し戻された申請は、申請者側で内容を修正して再提出します。却下された場合は、私的な支出だったなど経費として認められない理由が多く、申請前の科目選びがそのまま結果を左右します。
申請経路は、部署や金額によって分けて設定できます。少額の経費は担当者1人の承認で完結させ、一定額を超える経費だけ複数人の承認を必須にするといった運用も可能です。すべての経費を同じ経路に通すと、承認者の負担が偏ってしまいます。
日本商工会議所が2024年5月20日〜6月14日に実施した「中小企業におけるインボイス制度、電子帳簿保存法、バックオフィス業務の実態調査」(3,149社回答)があります。この調査では、売上高1千万円以下の事業者の78.1%が代表者や営業担当者による経理兼務でした。兼務の担当者ほど、承認経路をシンプルにしておく効果は大きくなります。
経営者自身が承認者を兼ねる会社では、経路を複雑にするとかえって確認漏れの原因になります。まずは1段階の承認から始めて、規模が大きくなってから段階を増やす順序がおすすめです。
経費精算そのもののルール作りは、経費精算ルールの作り方|中小企業の5ステップと規程項目でも解説しています。
freeeの経費精算でよくある失敗と対処法
freeeの経費精算でよくある失敗は、初期設定をせずに使い始めることと、承認経路を1人に固定してしまうことです。
失敗する使い方と失敗しない使い方
注意: 初期設定を飛ばして使い始めない
科目や申請経路を決めないまま使い始めると、申請のたびに迷いが生じます。導入直後の1〜2週間は、初期設定を優先してください。
1つ目は、科目の確認をせずに申請してしまうケースです。似た科目が複数あると、担当者ごとに選ぶ科目がばらつき、月次の集計が合わなくなります。
2つ目は、承認経路を1人に固定してしまうケースです。承認者が休暇や出張で不在になると、経費精算全体が止まってしまいます。代理承認者を設定しておくと、この停滞を防げます。
3つ目は、レシートの自動入力を確認せず、そのまま申請してしまうケースです。読み取り誤りに気づかないまま処理が進むと、後から仕訳の修正が必要になります。特に金額の桁や日付は誤読が起きやすい箇所なので、申請前の数秒で確認する習慣をつけておくと、あとからの手戻りを防げます。
4つ目は、代理承認者を設定しないまま運用を始めてしまうケースです。承認者が出張や休暇で不在になったとき、代理の設定がなければ経費精算全体がそこで止まります。繁忙期や連休前には、代理承認者が正しく機能するかを一度確認しておくと安心です。
個人情報や取引先名を含む経費データを日常的に扱う以上、承認者の権限設定は経費精算の使いやすさだけでなく、社内の情報管理という観点からも定期的に見直しておく価値があります。誰がどこまでのデータを閲覧できるかは、担当者が増えるタイミングで特に見落とされやすい設定です。
自社での運用が回らない場合は、経理BPOの無料相談で申請から記帳までの流れを一緒に整理することもできます。仕訳の自動化については、仕訳の自動化方法とは?中小企業ができる4つのステップも参考になります。
自社の経理のどこに時間がかかっているかは、経理の現状分析(無料)からご相談いただけます。ご契約を前提としたご案内ではありません。
使い始める前に、社内のルールを決める
ツールの設定より先に、社内のルールを決めてください。ルールが無いまま入れると、システム上で揉めるだけになります。
決めるのは次の4点です。
| 決めること |
決めないと起きること |
| いつまでに申請するか |
月をまたいだ申請が毎月出て、締めが遅れる |
| 領収書が無いときの扱い |
都度その場で判断することになる |
| いくらから上長承認が要るか |
少額まで承認に回り、承認者が滞留する |
| 精算の支払日 |
「いつ振り込まれるか」の問い合わせが続く |
1つ目を決めていない会社が最も多いところです。「翌月5日まで」のように日付で決めて、それを過ぎた申請をどう扱うかまで決めてください。
決めたルールは、freeeの設定に反映させます。申請期限や承認の金額基準は、口頭のルールにせずシステム側に入れておくほうが守られます。
ルールは1枚の紙にまとめて配ってください。マニュアルの中に埋めると読まれません。
よくある質問
freeeの経費精算はどこから申請しますか?
スマホアプリの「+」ボタンから「経費を申請」を選び、レシートを撮影して申請します。
レシートの金額や日付は自分で入力する必要がありますか?
AIが自動で読み取るため、内容を確認して修正するだけで済みます。
交通費もfreeeで申請できますか?
SuicaなどのICカードをスマホで読み取れば、乗降駅と金額が自動入力されます。
承認フローは自由に設定できますか?
部長の後に経理が承認するなど、部署や金額に応じた申請経路を設定できます。
申請した経費が差し戻されることはありますか?
承認者が内容を確認し、科目や金額に誤りがあれば差し戻しや却下になります。
freeeの経費精算でよくある失敗は何ですか?
初期設定をせずに使い始め、科目や承認経路が現場に合わないまま運用することです。
まとめ: freeeの経費精算は初期設定を先に済ませるのが近道
freeeの経費精算は、経費科目・申請経路・ICカード連携という3つの初期設定を先に済ませておけば、レシート撮影から申請までの4ステップを迷わず回せるようになります。承認経路を複数人体制にしておくことも、運用を止めないための重要なポイントです。
まずは自社で使っている経費科目を1つずつ洗い出し、freeeの初期設定画面で内容を見直すところから始めてください。申請経路が現状の組織体制に合っているかも、あわせて確認しておくと安心です。申請から記帳までの流れをまとめて効率化したい場合は、経理BPOの無料相談で相談することもできます。
ツールを入れただけで運用が自動的に回るわけではありません。初期設定という一手間を惜しまないこと、それが経費精算を実際に楽にする分かれ目です。取引先や申請件数が増えてきたタイミングで、あらためて科目や承認経路を見直すことも忘れないようにしてください。目安は半年に一度の棚卸し。