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経理自動化ツールとは?機能5分類と失敗しない選び方

経理自動化ツールは、記帳・経費精算・請求書・給与計算・ワークフロー承認の5分類に分かれ、連携を意識せず個別導入すると効果が出にくくなります。機能の分類、選ぶチェックリスト、スモールスタートの手順を2026年8月時点の情報で解説します。

経理自動化ツールとは?機能5分類と失敗しない選び方

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経理自動化ツールとは、記帳・経費精算・請求書・給与計算・ワークフロー承認という5つの機能に分かれたシステムの総称です。種類が多いために価格や機能の一覧だけを見て選びがちですが、連携を意識せずに個別導入すると、かえってデータの二重入力が増えるケースも珍しくありません。本記事では、経理自動化ツールの機能5分類、個別導入だけでは効果が出ない理由、選ぶときのチェックリスト、スモールスタートの手順、よくある失敗まで、会計ソフト導入支援の実務を踏まえて解説します。

この記事は、経理・バックオフィス業務のどこから自動化ツールを入れるべきか迷っている中小企業の経営者・管理部門責任者向けです。

※ 2026年8月時点の情報です。

この記事でわかること

  • 経理自動化ツールの機能5分類
  • ツールを個別導入しただけでは効果が出ない理由
  • ツールを選ぶときのチェックリスト4つ
  • スモールスタートで導入する3つの手順

経理自動化ツールとは?できることと向き不向き

経理自動化ツールとは、記帳・経費精算・請求書・給与計算といった経理業務の一部を、ソフトウェアが自動または半自動で処理する仕組みの総称です。

あわせて請求書チェックの効率化もご覧ください。

前提となる考え方は、経理マクロ自動化とは?で解説しています。

経理自動化ツールとは、入力・集計・承認といった経理業務の工程をシステム側に任せる仕組みを指します。1つのツールが経理業務のすべてを自動化するわけではなく、機能ごとに得意分野が分かれている点が、導入前に理解しておきたいポイントです。

私たちが会計ソフトの導入を補助金で支援する中でも、「とりあえず評判のいいツールを1つ入れれば経理が楽になる」と考えている企業に数多く出会います。実際には、記帳が得意なツールと経費精算が得意なツールは別物であることが多く、自社のどの業務を自動化したいかを先に決めないと、機能が合わないツールを選んでしまいます。

一方で、経理自動化ツールが向かない場面もあります。月の取引件数が数十件程度で、担当者1人が短時間で処理できている場合は、ツール導入の初期設定にかける時間のほうが負担になることがあります。取引件数が少ないうちは無理に導入せず、件数が増えてきたタイミングで検討するほうが合理的です。

逆に、取引先ごとに単価や条件が細かく異なり、都度の判断が必要な業務は、自動化しても最終確認の手間がほとんど減らないことがあります。判断が中心の業務なのか、入力・転記が中心の業務なのかを切り分けてから、どちらのツールを検討するかを決めてください。

経理自動化ツールの機能5分類

経理自動化ツールは、記帳・経費精算・請求書・給与計算・ワークフロー承認という5つの機能に分類できます。

実際の進め方については、記帳自動化アプリの選び方|比較の基準3つと導入3手順にまとめています。

実際の例を先に押さえるなら、SMBCグループの経理自動化事例が参考になります。

関連する内容としてエクセル経理の効率化のコツ7選も公開しています。

経理自動化ツールの機能5分類: 記帳・仕訳ツール、経費精算ツール、請求書発行・受領ツール、給与計算ツール、ワークフロー承認ツール
経理自動化ツールの機能5分類

第一に、記帳・仕訳ツールです。銀行明細やクレジットカードの取引を自動で取り込み、勘定科目を提案します。エクセルの関数・マクロで代用する企業も多い分野です。関数を使った自動化の限界は経理の自動化はエクセルでどこまで可能?で解説しています。

第二に、経費精算ツールです。領収書をスマートフォンで撮影すると、金額や日付を読み取って申請データを自動作成します。

第三に、請求書発行・受領ツールです。取引先への請求書発行や、受け取った請求書のデータ化・支払処理を自動化します。

第四に、給与計算ツールです。勤怠データと連動させ、給与や社会保険料の計算を自動で行います。

第五に、ワークフロー承認ツールです。稟議や経費の承認ルートをシステム上で回し、紙の押印を電子承認に置き換えます。

記帳ツール経費精算ツールは連携させると特に効果が出やすい組み合わせです。経費精算ツールで処理したデータを記帳ツールへ自動連携すれば、同じ取引を二度入力する手間がなくなります。

同様に、請求書発行ツール記帳ツールを連携させれば、発行済みの請求書データがそのまま売上の仕訳として反映され、入金確認のたびに手入力する必要がなくなります。5分類のうちどれか1つだけを見て選ぶのではなく、将来どの機能と組み合わせたいかまで見据えて最初のツールを選ぶと、後から連携で困る場面を減らせます。

Service経理BPO・記帳代行記帳・請求・支払・給与を、実務ごと引き受けます。同じシステムを自社で使う形もお選びいただけます。

ツールを個別導入しただけでは効果が出ない理由

経理自動化ツールを個別に導入しただけでは、システム同士が連携せずに二重入力が残り、効果が出にくいことがあります。

近い論点を経理業務の自動化事例5つで扱っています。

ワークフロー総研が公表した「人手不足に悩むバックオフィス担当者に聞いた業務実態調査」があります。

システム化を行った担当者のうち82.2%が業務負担の軽減を実感できていません。主な理由は「システム連携ができておらずデータの二重入力が発生」で、60.8%を占めました。ツールを増やすほど連携の設計が重要になることが、この結果から読み取れます。

私も、経費精算ツールと記帳ツールを別々に導入した企業で、結局は経費精算ツールの出力データを手作業で記帳ツールへ入力し直していたという相談を受けたことがあります。ツールを増やすこと自体が目的になると、かえって確認する画面や操作が増えて負担が重くなるという本末転倒な結果になりがちです。

中小機構が2026年2月に公表した中小企業のDX実態調査(全国1,000社対象)では、DXに取り組んでいる・検討している企業は39.1%でした。ツールの導入自体は広がっている一方で、前述の調査が示すとおり、連携まで含めて設計できている企業はまだ多くないのが実情です。

経理自動化ツールを選ぶときのチェックリスト4つ

経理自動化ツールは、連携できるデータ形式・価格・サポート体制・試用期間の有無という4点で比較すると選びやすくなります。

あわせて経理効率化の事例4選|方法別のポイントと進め方もご覧ください。

比較項目 確認するポイント
連携できるデータ形式 既存の会計ソフトや銀行口座とAPI連携できるか
価格 初期費用と月額費用、利用人数が増えた場合の課金体系
サポート体制 導入時の設定支援や、トラブル時の問い合わせ窓口の有無
試用期間の有無 本契約前に実データで動作を確認できる期間があるか

この4点のうち、最も見落とされやすいのが連携できるデータ形式です。価格やサポート体制だけで選び、いざ導入してから既存の会計ソフトとつながらないと気づく企業が少なくありません。契約前に、自社が今使っているツールの名前を挙げて連携可否を問い合わせることをおすすめします。

サポート体制についても、電話・チャット・メールのどれに対応しているかだけでなく、導入初期の設定作業まで一緒に進めてくれるかどうかを確認してください。設定を自社だけで進める前提のプランだと、担当者がツールの操作に慣れるまでの期間、かえって作業時間が増えてしまうことがあります。

価格を比較する際は、月額料金の金額だけでなく、利用人数やデータ件数が増えたときに料金がどう変わるかまで確認してください。導入時の料金だけを見て契約し、事業拡大にあわせて想定外の追加費用が発生したという相談を受けたこともあります。

経理自動化ツールをスモールスタートで導入する3つの手順

経理自動化ツールは、最も負担の大きい業務から1つずつ試すスモールスタートで進めると失敗しにくくなります。

関連する内容として請求書をエクセルで自動化する3つの手段も公開しています。

経理自動化ツールをスモールスタートで導入する3つの手順: 最も負担の大きい業務を1つ選ぶ、候補ツールを2〜3個に絞って試用する、連携先システムとのデータ連携を確認する
経理自動化ツールをスモールスタートで導入する3つの手順

第一に、最も負担の大きい業務を1つ選びます。経費精算に時間がかかっているのか、請求書の発行が滞っているのか、業務ごとの所要時間を比べて優先順位をつけます。

第二に、候補ツールを2〜3個に絞って試用します。すべての機能を比較しようとすると選定だけで数か月かかるため、自社の課題に直結する機能があるかどうかで早めに絞り込むことが大切です。

第三に、連携先システムとのデータ連携を確認します。試用期間中に実際の取引データを使い、既存の会計ソフトへ正しく連携できるかをテストしてから本契約に進んでください。

1つの業務で効果を確認できたら、次に負担の大きい業務へ範囲を広げます。最初から複数の業務を同時に自動化しようとすると、うまくいかなかったときの原因が特定しにくくなるため、1業務ずつ段階的に広げる進め方のほうが結果的に早く定着します。

経理自動化ツール選びでよくある失敗とNG運用

経理自動化ツール選びでよくある失敗は、連携の未確認・一括導入・属人化した設定管理という3つです。

経理自動化ツール選びのNG運用とOK運用: NG例は価格だけで比較して連携を確認しない・全部門に一括導入してから使い方を決める・担当者1人だけがツールの設定を把握している・試用期間を使わずに本契約する、OK例は連携できるデータ形式を先に確認する・負担が大きい業務から段階的に導入する・設定内容を手順書に残して共有する・試用期間で実際のデータを使って確認する
経理自動化ツール選びのNG運用とOK運用
注意: 全部門への一括導入はNG
試用なしで全部門に一斉導入すると、現場に合わない機能が後から見つかっても後戻りしにくくなります。一部の部署で試してから範囲を広げる進め方のほうが、結果的に失敗を防げます。

担当者1人だけがツールの設定を把握している状態も見落とされがちなNG運用です。設定を変更できる人が1人しかいないと、その担当者が不在の間は連携エラーが起きても誰も直せません。設定内容は必ず手順書に残し、複数人で共有しておく必要があります。

試用期間を使わずに本契約するのも避けたい進め方です。カタログ上の機能と実際の使い勝手には差があることが多く、自社の取引データで試してから契約するだけで、導入後のミスマッチをかなり防げます

私たちが支援した企業でも、営業担当者の説明だけを聞いて契約し、実際に使い始めてから既存の会計ソフトと連携できないことに気づいたケースがありました。契約前に自社のデータ形式を伝えて動作確認を依頼する一手間が、こうした事態を防ぐ最も確実な方法です。

どこから手をつけるべきかの整理は、経理の現状分析(無料)からご相談いただけます。ご契約を前提としたご案内ではありません。

ツールだけでは解決しない業務と経理BPOという選択肢

経理自動化ツールを導入しても、判断が必要な確認業務や例外対応は人の手に残ります。

近い論点を経理の仕事を効率化する9つの方法で扱っています。

当社は補助金を使った会計ソフト・受発注ソフトの導入支援を手がけており、中小企業が経理業務のどこでつまずくかを申請の現場で見てきました。ツールを導入するだけで満足してしまい、運用ルールを整えないまま放置される現場を何度も見てきています。

判断業務も含めて外部に任せたい場合は、経理BPO(経理アウトソーシング)という選択肢もあります。ツールの選定や運用設計まで含めて任せられるため、担当者が1人しかいない体制でも安心です。

自社の業務量ならツールと外注のどちらが向いているか分からない場合は、経理BPOの無料相談で概算を確認することもできます。

ツール選定の比較軸は経理効率化システムの選び方|比較軸5つと失敗しない導入手順、外注の基本的な仕組みは経理BPOとは?メリット3つと費用相場をわかりやすく解説で整理しています。

ツール導入と並行した業務改善の進め方はバックオフィス業務改善の4ステップ|進まない原因と対策でも扱っています。

特に記帳分野は、自動化ツールと記帳代行を併用しやすい業務です。記帳代行の自動化とは?判断基準3つで、自社導入と外注のどちらに向いているかの判断基準を解説しています。

導入すると、代わりに増える仕事がある

自動化は仕事を消すのではなく、種類を変えます。減る仕事と増える仕事を先に見ておいてください。

減る仕事

  • 手入力、転記、電卓での検算
  • 紙の回覧と押印待ち

増える仕事

  • マスタの整備(勘定科目、取引先、部門コードの対応づけ)
  • 自動仕訳の結果を確認して直す作業
  • 例外処理のルールを決める作業

増えるほうを誰が担当するかを決めずに導入すると、止まります。とくにマスタ整備は、経理を分かっている人にしかできません。ツールのサポートは代わりにやってくれません。

導入初期の3か月は、手作業とツールの二重運用になる前提で計画してください。この期間を見込まずに「来月から楽になる」と説明すると、現場の信頼を失います。

よくある質問

経理自動化ツールにはどんな種類がありますか?

記帳・経費精算・請求書・給与計算・ワークフロー承認の5分類に大きく分かれます。

経理自動化ツールを導入すれば業務負担は必ず減りますか?

連携せずに個別導入すると二重入力が残り、負担が減らないことがあります。

経理自動化ツールはどこから導入すればよいですか?

最も時間がかかっている業務を1つ選び、スモールスタートで試すのが安全です。

経理自動化ツールを選ぶときの注意点は何ですか?

連携できるデータ形式、価格、サポート体制、試用期間の有無を確認します。

経理自動化ツールを導入しても人手不足は解消しますか?

入力作業は減っても判断業務は残るため、経理BPOへの外注も選択肢です。

ツール同士を連携させないとどうなりますか?

データの二重入力が発生し、かえって作業時間が増えることがあります。

まとめ: 経理自動化ツールは「連携」を軸に選ぶことが近道

経理自動化ツールは、機能5分類のどこを自動化したいかを先に決め、連携できるデータ形式を確認してからスモールスタートで導入することが失敗を防ぐ近道です。価格や評判だけで選んでしまうと、システム同士がつながらず二重入力が残るという本末転倒な結果になりかねません。

ツール選びに迷っている、担当者が1人しかいないといった不安がある場合は、経理BPOの無料相談で自社に合った進め方を相談することもできます。まずは自社の業務のうち、最も時間がかかっている作業を1つ洗い出すところから着手してください。

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