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請求書処理の効率化とは?進まない原因と5つの改善策【2026年】

請求書処理の効率化は、受領形式の統一・承認フローの整理・チェック体制の見直しの3点から着手します。進まない原因、5つの改善策、ツール選びのポイントまで解説します。

請求書処理の効率化とは?進まない原因と5つの改善策【2026年】

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請求書処理の効率化は、受領形式の統一・承認フローの整理・チェック体制の標準化という3点から着手します。ツールの導入はその後の選択肢の一つであり、順番を誤ると効果が出にくくなります。本記事では、請求書処理が非効率になる原因、5つの改善策、ツール選びのポイント、承認フローの作り方まで、バックオフィス支援の実務を踏まえて解説します。

この記事は、請求書処理に時間がかかりすぎている、差し戻しが多いと感じている中小企業の経理担当者・管理部門責任者向けです。

※ 2026年8月時点の情報です。

この記事でわかること

  • 請求書処理が非効率になる3つの原因
  • 請求書処理を効率化する5つの方法
  • 効率化ツールを比較する際のポイント
  • 差し戻しを防ぐ承認フローの作り方

請求書処理の効率化とは?

請求書処理の効率化とは、受領から支払いまでの一連の工程を見直し、手作業と確認の手戻りを減らすことを指します。効率化の効果は、処理時間の短縮だけでなく、ミスの減少という形でも現れます。

実際の進め方については、請求書の発行のやり方|必須6項目と基本4ステップにまとめています。

関連する内容は外注費の請求書の書き方で整理しています。

請求書処理の効率化とは、請求書の受領・内容確認・承認・仕訳・支払いという一連の業務プロセスから、重複した確認や手作業による転記を取り除く取り組みを指します。電子化はその手段の一つであり、フローそのものを見直さずにツールだけ導入しても、効果は限定的というのが実務上の感覚です。

私たちが中小企業のバックオフィス体制づくりを支援する中でも、「請求書処理システムを入れたのに、思ったほど楽にならなかった」という相談を受けることがあります。多くの場合、原因はツールではなく、フロー側に残っています。

請求書処理が非効率になる3つの原因

請求書処理が非効率になる主な原因は、受領形式の混在、承認経由者の多さ、チェック基準の属人化という3点です。

第一に、受領形式が紙・PDF・メール添付など複数に混在していると、担当者は形式ごとに異なる手順で処理する必要があり、そのたびに手が止まります。統一されていない受領形式は、効率化の最初のつまずきポイントになりがちです。

第二に、承認経由者が多いと、1枚の請求書が支払いまで進むのに時間がかかります。稟議のように何人もの承認を経由する運用は、金額の大小にかかわらず一律で適用されていることが少なくありません。

第三に、チェック基準が担当者の頭の中にしかない状態も、非効率の温床です。「この取引先は毎回この確認をする」という暗黙知が個人に依存していると、担当者が変わるたびに確認漏れのリスクが上がります。経理の業務フロー見直し3ステップ|属人化と遅延を防ぐで紹介した属人化の問題は、請求書処理にもそのまま当てはまります。

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請求書処理を効率化する5つの方法

請求書処理を効率化するには、受領形式の統一、承認経由者の削減、支払期日の一覧管理、チェック項目の標準化、月次タイミングの固定という5つの方法が有効です。

請求書処理を効率化する5つの方法: 受領形式をデータに統一する、承認フローの経由者を減らす、支払期日を一覧で管理する、チェック項目を標準化する、月次のタイミングを固定する
請求書処理を効率化する5つの方法

受領形式をデータに統一すると、紙の請求書を探す・スキャンするといった作業自体がなくなります。取引先に電子データでの送付を依頼できるかどうかを、まず確認してみてください。請求書電子化の進め方で具体的な進め方を紹介しています。

承認フローの経由者を減らすことも効果的です。金額に応じて承認者数を変える運用にすれば、少額の請求書が何人もの承認を経由して止まる事態を防げます。

支払期日を一覧で管理すると、期日超過による督促や信用低下のリスクを避けられます。支払業務全体の効率化については、支払業務の効率化とは?基本4ステップと方法の比較で詳しく解説しています。

チェック項目を標準化すると、担当者による確認のばらつきがなくなります。「登録番号」「金額」「振込先」の3点は最低限そろえておきたい確認項目です。月次のタイミングを固定することも、締め日直前の駆け込み処理を減らし、平準化した業務量で処理を進められるようにする効果があります。

請求書処理の効率化ツール導入時に比較すべきポイント

請求書処理の効率化ツールは、承認フローの柔軟性、既存の会計ソフトとの連携、料金体系という3点で比較すると選びやすくなります。

比較軸 確認すること 見落としやすい点
承認フローの柔軟性 金額別・部門別に承認者を設定できるか 例外ルートを作れないと現場が回避策を作る
会計ソフトとの連携 仕訳データをそのまま連携できるか 連携できても項目のマッピングが手作業になる場合がある
料金体系 件数課金かユーザー課金か 繁忙期に件数が増えると想定外の費用になることがある

ツール選びで最も見落とされやすいのは、既存の会計ソフトとの連携精度です。連携自体はできても、勘定科目のマッピングを都度手直しする必要があるケースでは、かえって作業が増えてしまいます。導入前に、実際のデータで連携テストをさせてもらうことをおすすめします。

請求書処理の効率化を小規模事業者が進める場合の考え方

小規模事業者が請求書処理を効率化する場合は、専用ツールの導入よりも先に、担当者内でのルール統一から始めるほうが現実的です。

従業員数が少ない会社では、請求書処理を1人で兼任していることも珍しくありません。専任者がいない体制では、ツール選びに時間をかけるより、確認項目を紙に書き出して固定するだけでも効果が出ます。小規模事業者の経理体制の作り方で、規模別の体制づくりを紹介しています。

取引先の数が少ないうちは、Excelでの支払期日管理でも十分に運用できます。取引先数や請求書の枚数が増えてきたタイミングで、初めてツール導入を検討するという順番が、費用対効果の面でも無理がありません。

「今の件数でツールが本当に必要か」を判断する基準は、月間の処理件数と、確認にかかっている実際の時間です。件数が少ないうちにツールを入れても、月額費用が業務削減効果を上回ってしまうことがあります。

差し戻し・チェック漏れを防ぐ承認フローの作り方

差し戻しやチェック漏れを防ぐには、承認経由者を必要最小限にし、差し戻し理由を記録に残す運用が基本になります。

注意: 差し戻し理由の口頭伝達はNG
差し戻しの理由を口頭やチャットの流れの中だけで伝えると、同じミスが繰り返されます。記録に残らない指摘は、担当者が変わった瞬間にリセットされてしまいます。
請求書の承認フロー NGとOK: NG例は承認経由者を増やしすぎる・差し戻し理由を口頭で伝える・承認期限を決めていない・紙とデータの承認が混在する、OK例は承認経由者を必要最小限にする・差し戻し理由を記録に残す・承認期限を明文化する・承認ルートをデータで統一する
請求書の承認フロー NGとOK

承認期限を明文化しておくことも欠かせません。「受領から3営業日以内に承認する」のような基準を決めておくと、承認待ちで支払いが遅れる事態を防げます。承認者が出張や休暇で不在の場合の代理承認ルールも、あわせて決めておくと安心です。承認ルートを紙とデータで混在させないことも、確認漏れを減らす基本的な工夫です。

当社は補助金を使った会計ソフト・受発注ソフトの導入支援を手がけています。中小企業が請求書処理のどこで手が止まっているかを、申請の現場で見てきました。多くの場合、原因はツールの機能不足ではなく、承認ルートが整理されていないことにあります。

請求書処理効率化の進め方(3ステップ)

請求書処理の効率化は、現状把握、ボトルネックの特定、標準化とツール検討という3つのステップで進めると失敗しにくくなります。

請求書処理効率化を進める3ステップ: 現状のフローと所要時間を洗い出す、ボトルネックになっている工程を特定する、標準化してからツールを検討する
請求書処理効率化を進める3ステップ

第一に、現状のフローと所要時間を洗い出します。受領から支払いまでの各工程に、どれくらいの時間がかかっているかを可視化すると、改善の優先順位が見えてきます。

第二に、ボトルネックになっている工程を特定します。承認待ちなのか、確認作業そのものなのかによって、打つべき対策は変わります。時間がかかっている理由を推測だけで判断すると、的外れな対策に投資してしまうことがあるため、実測を優先してください。担当者にヒアリングするだけでも、システムのログでは見えない「毎回ここで手が止まる」という感覚的な情報が集まります。

第三に、標準化してからツールを検討します。フローが整理されないままツールを導入すると、非効率な運用をそのままシステム化するだけになりかねません。順番を守ることが、効率化を成功させる一番の近道です。

請求書処理を効率化した後によくある失敗・注意点

請求書処理を効率化した後によくある失敗は、導入直後の運用ルールを見直さないまま放置してしまうことです。

ツール導入後に例外対応が増えているのに、ルールを更新しないまま運用を続けると、現場が独自の回避策を作り始めます。回避策が積み重なると、効率化前より確認箇所が増えてしまうという逆転現象も起こり得ます。導入から3か月後を目安に、現場の運用実態とルールがずれていないかを見直す機会を設けておくと、この逆転現象を早めに防げます。

インボイス制度への対応も、効率化後に見落とされがちな注意点です。登録番号の確認作業をチェック項目に組み込んでおかないと、消費税の仕入税額控除で後から修正が発生します。インボイス制度の経理実務とは?請求書処理の4ステップもあわせて確認してください。

株式会社アイ・ティ・アール(ITR)が2024年8月に公表した電子請求書受取サービス市場に関する調査によると、2023年度の同市場は前年度比82.0%増の190億円でした。2024年度も同55.7%増の伸びが見込まれています。多くの企業が請求書処理のデータ化に踏み出している一方、フローの整理が追いついていないケースも実務ではよく見かけます。

国税庁が公開する電子取引データの保存に関するパンフレットでも、請求書・領収書・契約書などを電子データで受け取った場合は、そのデータのまま保存することが法律上の義務であると案内されています。紙に出力して保存すれば済むという運用は、すでに認められていません。私も、ツールだけを先に導入した企業から、運用が定着せずに相談を受けた経験があります。

自社のリソースだけでフローの整理まで手が回らない場合は、記帳や支払処理を含めて経理BPOへ委託する選択肢もあります。経理BPOとは?メリット3つと費用相場をわかりやすく解説で委託できる範囲を確認できます。

社内で抱え込まず、外部の体制も選択肢に入れておくことが、遠回りに見えて確実な効率化への近道になります。人手を増やす前に、外部委託でまかなえる範囲がないか検討してみる価値はあります。

どの業務から整理すべきかは、バックオフィスの現状分析(無料)からご相談いただけます。ご契約を前提としたご案内ではありません。

よくある質問

請求書処理の効率化は何から始めればよいですか?

現状のフローと所要時間を洗い出し、ボトルネックの工程から着手するのが基本です。

請求書処理が非効率になる主な原因は何ですか?

受領形式の混在、承認経由者の多さ、チェック基準の属人化が主な原因です。

請求書処理を効率化するツールはどう選べばよいですか?

承認フローの柔軟性、既存の会計ソフトとの連携、料金体系の3点で比較します。

承認フローの差し戻しを減らすにはどうすればよいですか?

差し戻し理由を記録に残し、チェック項目を事前に標準化しておくことが有効です。

請求書処理の効率化とインボイス対応は関係がありますか?

登録番号の確認作業が加わるため、チェック項目に組み込んでおく必要があります。

請求書処理を外部に委託することもできますか?

記帳や支払処理を含めて経理BPOに委託し、社内の負担を減らす方法もあります。

まとめ: 請求書処理の効率化はフローの整理が先

請求書処理の効率化は、受領形式の統一・承認フローの整理・チェック項目の標準化という3点から着手し、ツールの導入はその後に検討してください。順番を誤ると、非効率な運用をそのままシステム化するだけになります。まずは現状のフローと所要時間を可視化するところから、今週中にでも始めてみてください。

請求書処理の負担が大きく、記帳や支払処理まで含めて任せたい場合は、経理BPOの無料相談で自社に合った進め方を相談することもできます。承認フローの整理だけでも、相談の中で一緒に洗い出すことができます。ツールを入れるかどうかで迷っている段階でも、現状のフローを見せていただければ、優先して直すべき箇所を一緒に確認できます。

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「何から始めればいいか分からない」段階のご相談こそ歓迎です。現状を伺い、貴社に合う打ち手を持ち帰りいただけます。