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経理業務の自動化事例5つ|仕訳から給与計算までの進め方

経理業務の自動化事例は、仕訳・請求書処理・経費精算・支払業務・給与計算の5つが代表的です。業務別の進め方と失敗しやすい注意点を2026年9月時点の情報で解説します。

経理業務の自動化事例5つ|仕訳から給与計算までの進め方

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経理業務の自動化事例は、仕訳・請求書処理・経費精算・支払業務・給与計算の5つが代表的です。いずれも判断の少ない定型作業をシステムに任せる点は共通していますが、業務ごとに向いている方法と着手のしやすさが異なります。5つの事例と選び方の視点、失敗しやすい注意点を解説します。

この記事は、経理業務の自動化を検討しているものの、どの業務から着手すればよいか迷っている中小企業の経営者・管理部門責任者向けです。

※ 2026年9月時点の情報です。

この記事でわかること

  • 経理業務の自動化で対象になる範囲
  • 業務別に見る5つの自動化事例
  • 事例に共通する失敗パターン
  • 自動化する業務の選び方3つの視点

経理業務の自動化とは?対象範囲とできることの目安

経理業務の自動化とは、仕訳・請求書処理・経費精算といった判断の少ない定型作業を、システムに代行させる取り組みを指します。

関連する内容として経理効率化の事例4選|方法別のポイントと進め方も公開しています。

経理業務の自動化とは、記帳や請求といった手作業の量そのものを減らし、担当者の作業時間を空ける取り組みです。判断が必要な業務は自動化の対象から外し、確認と承認だけを人に残す設計が基本です。

日本商工会議所・東京商工会議所が2024年9月9日に公表した調査があります。「中小企業におけるインボイス制度、電子帳簿保存法、バックオフィス業務の実態調査」(有効回答3,149事業者)です。売上高1千万円以下の事業者の92.0%が経理事務を1人で担当しており、82.2%が事務負担の増加を感じていました。

担当者が1人しかいない体制では、繁忙期の遅れや急な休職がそのまま業務の停滞につながります。自動化は、この属人化と業務量の両方に効く手段です。

対象になる業務は幅広く、仕訳・請求書発行・請求書処理・経費精算・支払業務・給与計算のいずれも自動化の候補になります。判断が不要で繰り返しが多い業務ほど自動化の効果が出やすく、逆に例外処理の多い業務は自動化に向きません。

経理業務の自動化事例5つ: 仕訳の自動化、請求書処理の自動化、経費精算の自動化、支払業務の自動化、給与計算の自動化
経理業務の自動化事例5つ

自動化を後回しにすると、繁忙期にミスが増えたり、月次決算の数字が経営判断に間に合わなくなったりする悪影響が積み重なります。次の章から、業務別に5つの事例を見ていきます。

経理業務の自動化事例1: 仕訳の自動化

仕訳の自動化は、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、勘定科目を推測させて入力の手間を減らす事例です。

クラウド会計ソフトの多くは、明細の取り込みと過去の入力履歴から仕訳候補を自動で作成する機能を備えています。担当者は、生成された候補の確認と修正だけに集中できるようになり、手入力の量が大きく減ります。

具体的な進め方は仕訳の自動化方法とは?中小企業ができる4つのステップで解説しています。銀行明細の自動取込・OCR・ルール学習・API連携という4つの方法があり、業務量に応じて組み合わせられます。

仕訳の自動化を進める際は、勘定科目のルールを事前に整理しておくことが欠かせません。ルールが曖昧なまま自動化すると、誤った科目のまま処理が積み上がってしまいます。ルールを固めてから自動化に着手する順序が、後戻りの少ない進め方です。

自動生成された仕訳をノーチェックで確定させる運用は避けてください。月次で一定件数を抽出し、正しく仕訳されているか確認する仕組みを残すと安心です。仕訳のミスそのものを防ぐ考え方は仕訳ミスを防ぐ方法とは?も参考になります。

Service経理BPO・記帳代行記帳・請求・支払・給与を、実務ごと引き受けます。同じシステムを自社で使う形もお選びいただけます。

経理業務の自動化事例2: 請求書処理の自動化

請求書処理の自動化は、受け取った請求書の読み取りから記帳・支払依頼までを、システムでつなげる事例です。

近い論点を年末調整の効率化ポイント5つで扱っています。

Sansan株式会社が2025年3月25日に公表した「請求書の発行に関する実態調査」(経理担当者1,000名対象)があります。請求書の電子化を「実施済みまたは検討中」と回答した割合は75.6%にのぼり、2024年9月の前回調査の42.0%から大幅に増加しました。

紙の請求書は、開封・入力・突合・押印といった手作業が積み重なりやすい書類です。OCRで金額や取引先名を読み取り、会計ソフトへ自動で連携する仕組みに変えるだけで、入力にかかる時間を大きく減らせます。

発行側の効率化は請求書処理の効率化とは?進まない原因と5つの改善策、電子化の進め方は請求書の電子化を進める方法とは?で詳しく扱っています。

委託先とのやり取りが多い場合は外注費の請求書の書き方とは?も確認しておくと安心です。

自動化を進めるうえでの注意点は、取引先ごとにフォーマットがバラバラな点です。OCRの読み取り精度は取引先の書式に左右されるため、導入直後は誤読の確認を厚めに行う期間を設けてください。慣れてくると、確認の手間は自然に減っていきます。

経理業務の自動化事例3: 経費精算の自動化

経費精算の自動化は、スマートフォンで撮影したレシートから金額や日付を読み取り、申請から承認までを電子化する事例です。

紙の領収書を貼り付けて提出する方式では、申請者・承認者・経理担当者の三者すべてに手作業が発生します。撮影するだけで申請が完了する仕組みに変えると、紙の提出と押印にかかっていた時間がなくなります。

具体的な導入の考え方は経費精算の効率化とは?進め方と経理BPOという選択肢で解説しています。承認者もスマートフォンから承認できるようにすると、出社しないと処理が進まないという問題も解消できます。

注意: 領収書の原本確認をなくしすぎるのはNG
電子帳簿保存法の要件を満たさないまま原本の管理を省略すると、税務調査で確認できず、経費として認められないリスクがあります。要件は必ず事前に確認してください。

私たちは補助金を使った会計ソフト・受発注ソフトの導入支援を手がけており、申請の現場で中小企業がどこでつまずくかを数多く見てきました。経費精算の自動化でつまずきやすいのは、規程の見直しを後回しにしたまま仕組みだけ変えてしまうケースです。

経理業務の自動化事例4: 支払業務の自動化

支払業務の自動化は、請求書の受領から振込データの作成、消込までを一連の流れとしてつなげる事例です。

関連する内容として請求書を銀行振込で支払う手順も公開しています。

支払業務は、承認が複数の部署をまたぐことが多く、紙の稟議書が滞留しやすい業務です。承認フローを電子化し、承認済みのデータをそのまま振込データに変換できるようにすると、二重入力がなくなります。

基本の進め方は支払業務の効率化とは?基本4ステップと方法の比較で解説しています。振込データの作成まで自動化すると、月末の作業がまとまった時間として空くようになります。

支払業務の自動化では、下請法や振込手数料の負担ルールなど、取引先との契約条件を自動化前に確認しておくことが欠かせません。契約条件を反映しないまま自動化すると、誤った金額や期日で振込が実行されるおそれがあります。振込データを自動生成した後も、確定前に金額の一覧をダブルチェックする運用を残してください。

経理業務の自動化事例5: 給与計算の自動化

給与計算の自動化は、勤怠データの集計から給与の計算、明細の発行までをシステムでつなげる事例です。

弥生株式会社が2025年3月27日に公表した調査があります。「中小企業の給与・勤怠・労務管理の実態調査2025」(従業員100名未満の経営者・人事担当者1,000名対象)です。給与計算ソフトの導入率は41.6%にとどまり、10人未満の企業では29.6%とさらに低い水準でした。ソフト未導入の企業では74.1%がExcelなどで、19.0%が手書きで給与計算を行っています。

勤怠管理システムと給与計算ソフトを連携させると、集計ミスや残業代の計算間違いが減ります。年末調整や社会保険料の改定にも、システム側が自動で対応してくれる点は大きなメリットです。

自社で自動化を進めるか、外部に委託するかの判断材料は給与計算の外注費用はいくら?人数別シミュレーションで人数別に整理しています。従業員数が増えるほど、自社での自動化よりも外注のほうが割安になる分岐点があります。

給与計算は金額の間違いが従業員の生活に直結するため、自動化後も初回数か月は手計算での検算を並行することをおすすめします。慣れてきた段階で、検算の頻度を下げていく進め方が安全です。

経理業務の自動化事例に共通する失敗パターン

5つの事例に共通する失敗パターンは、全業務を一度に自動化しようとすることと、チェック役を残さず任せきりにすることです。

経理業務の自動化を進めるときのNGとOK: NG例は全業務を一度に自動化しようとする・チェック役を残さず任せきりにする・導入後の運用ルールを決めない・効果を数値で確認しない、OK例は効果の大きい業務から着手する・ダブルチェックの仕組みを残す・運用ルールを先に決めておく・導入後に時間の削減を確認する
経理業務の自動化を進めるときのNGとOK

導入後の運用ルールを決めないまま進めるのもNGパターンです。誰が確認し、誰が最終承認するかを決めておかないと、システムを入れても手戻りが発生します。

効果を数値で確認しないまま終えてしまうケースもよく見られます。導入前後で作業時間を計測しておかないと、次の投資判断ができません。

もうひとつよくあるのが、担当者1人の判断だけで自動化を進めてしまうことです。経営者や他部署の理解がないまま導入すると、繁忙期に元のやり方へ戻される揺り戻しが起きやすくなります。着手前に関係者へ目的を共有しておくだけでも、揺り戻しはかなり防げます。

どこから手をつけるべきかの整理は、経理の現状分析(無料)からご相談いただけます。ご契約を前提としたご案内ではありません。

自社に合う自動化事例の選び方3つの視点

自社に合う自動化事例は、判断の有無・ミスの起きやすさ・繁忙期への影響という3つの視点で絞り込めます。

自動化する業務を選ぶ3つの視点: 判断の有無、ミスの起きやすさ、繁忙期への影響
自動化する業務を選ぶ3つの視点
視点 確認すること 自動化との相性
判断の有無 例外処理がどれだけ発生するか 判断が少ないほど自動化しやすい
ミスの起きやすさ 入力・転記のミスが起きているか ミスが多い業務ほど効果が大きい
繁忙期への影響 月末・月初に業務が集中しているか 集中する業務ほど優先度が高い

第一に、判断の有無です。仕訳や請求書処理のように、ルールさえ決まれば機械的に処理できる業務は自動化に向いています。逆に、取引先ごとの個別対応が多い業務は、自動化してもかえって例外処理の確認が増えることがあります。

第二に、ミスの起きやすさです。手入力や転記のミスが繰り返し起きている業務は、自動化による改善効果が大きく出やすい傾向にあります。ミスの記録を数か月分振り返ると、優先すべき業務が見えてきます。

第三に、繁忙期への影響です。月末・月初に集中する支払業務や給与計算は、自動化による時間短縮の恩恵を最も受けやすい業務です。私たちが中小企業のバックオフィス支援に携わる中でも、繁忙期に手が足りなくなる業務から着手した会社ほど、効果を実感しやすいという傾向を見てきました。

3つの視点に優劣はなく、組み合わせて優先順位をつける会社も多くあります。自社だけで判断が難しい場合は、経理BPOの無料相談で、業務量に応じた自動化の範囲を相談することもできます。

委託範囲ごとの事例パターンは経理アウトソーシング導入事例|3パターンで見る選び方、経理BPOの基本的な仕組みは経理BPOとは?メリット3つと費用相場をわかりやすく解説で確認できます。

よくある質問

経理業務の自動化事例にはどんなものがありますか?

仕訳・請求書処理・経費精算・支払業務・給与計算の自動化が代表的な事例です。

経理業務の自動化はどこから着手すればいいですか?

判断が不要で繰り返しが多い業務から着手すると効果を実感しやすくなります。

経理業務の自動化にはどのくらい費用がかかりますか?

業務や規模により異なりますが、月額数千円からのクラウドツールもあります。

経理業務を自動化すると経理担当者は不要になりますか?

不要にはなりません。確認・承認・例外処理は人の判断が引き続き必要です。

経理業務の自動化で失敗しやすいのはどんなケースですか?

全業務を一度に自動化し、チェック役を残さずに任せきりにするケースです。

自動化しても対応しきれない業務量が残る場合はどうすればいいですか?

業務ごと外部の専門会社に委託する、経理BPOの活用も選択肢になります。

まとめ: 経理業務の自動化は業務単位で着手範囲を決める

経理業務の自動化に唯一の正解はなく、仕訳・請求書処理・経費精算・支払業務・給与計算の中から、判断の有無とミスの起きやすさで優先度をつけて選ぶことが出発点です。5つを同時に進める必要はありません。

まずは繁忙期に最も手が足りなくなる業務を洗い出し、効果の大きいところから着手してください。チェック役を残さず任せきりにすると、どの事例でも運用が崩れやすくなります。自動化は一度きりの取り組みではなく、業務量や体制が変わるたびに範囲を見直す前提で進めると、効果が長続きします。

5つの事例は排他的ではなく、仕訳の自動化と請求書処理を同時に進めたり、支払業務の見直しの後に給与計算へ広げたりと、段階を踏んで組み合わせる会社も少なくありません。自動化だけでは対応しきれない業務量が残る場合は、経理BPOの無料相談で、自社に合う範囲を相談することもできます。

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まずは、無料相談から。

「何から始めればいいか分からない」段階のご相談こそ歓迎です。現状を伺い、貴社に合う打ち手を持ち帰りいただけます。