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月次決算と試算表の違いは?締め後の試算表か見分ける5点

月次決算と試算表の違いは、作業と表の違いです。月次決算は記帳・残高照合・月割り計上をそろえて毎月の数字を確定させる締めの作業で、試算表はその中で作る勘定科目ごとの集計表です。締め後の試算表か見分ける5点と、社内で回すか外に任せるかの分かれ目を整理します。

月次決算と試算表の違いは?締め後の試算表か見分ける5点

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月次決算と試算表の違いは、「作業」と「表」の違いです。月次決算は、記帳・残高照合・月割り計上をそろえて、毎月の数字を確定させる締めの作業です。試算表は、その作業の中で作る勘定科目ごとの集計表です。

会計ソフトに仕訳を入れれば、試算表はいつでも出せます。ただし、締めの作業を終える前の試算表は、月の損益を正しく映しません。本記事では2つの違いを表で整理し、手元の試算表が締め後のものかを見分ける5つの確認点を示します。

この記事は、毎月の試算表は出ているのに数字が信用できない、または月次決算が何をする作業かを社内で説明したい中小企業の経営者・経理責任者向けです。

※ 2026年10月時点の情報です。会計帳簿の作成義務は会社法の条文で確認しています。

この記事でわかること
  • 月次決算と試算表の違い(一覧表)
  • 試算表の3つの種類と、月次決算の中で出る位置
  • 締め後の試算表かを見分ける5つの確認点
  • 月次決算を社内で回すか外に任せるかの分かれ目

月次決算と試算表は何が違う?

月次決算は毎月の数字を確定させる手順の全体で、試算表はその手順の途中と最後に出す集計表の1つです。

試算表とは、総勘定元帳の勘定科目ごとに、借方と貸方の合計や残高を1枚に集めた表です。英語ではトライアルバランス(T/B)と呼ばれます。

月次決算そのものの進め方は月次決算とは?初心者向けの基本と進め方5ステップで解説しています。ここでは、2つを取り違えると何が起きるかに絞ります。

項目 月次決算 試算表
正体 毎月の締めの作業 勘定科目ごとの集計表
いつ 月に1回、決めた締め日まで 仕訳を入れればいつでも出せる
含む作業 記帳・残高照合・月割り計上・報告 集計だけ
分かること その月の損益と財産の実態 転記の貸借が合っているか
担い手 経理担当・経理BPO・税理士 会計ソフトが自動で作る

試算表は「出す」もの、月次決算は「締める」ものです。同じ「3月の試算表」でも、締めの前に出した表と後に出した表では、利益の数字が変わります。

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試算表とは?3つの種類と読み方

試算表には合計・残高・合計残高の3種類があり、月次の経営判断に使うのは主に残高試算表です。

試算表の3つの種類: 合計試算表、残高試算表、合計残高試算表
試算表の3つの種類

1つ目の合計試算表は、科目ごとに借方と貸方の合計を並べます。取引の量を見るのに向きます。

2つ目の残高試算表は、科目ごとの残高だけを並べます。上半分が貸借対照表、下半分が損益計算書の形になるため、月の利益をすぐ読めます。

3つ目の合計残高試算表は、合計と残高の両方を並べた表です。取引の量と残高を1枚で見比べられます。

試算表で確かめられるのは「貸借が一致しているか」までです。科目を間違えた仕訳や、計上を忘れた取引があっても、貸借は合ってしまいます。試算表の数字を正しくするのは、表ではなく締めの作業のほうです。

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月次決算のどこで試算表を作る?

試算表は月次決算の最後に出す表で、記帳と照合と月割り計上を終えた後に出したものが締め後の試算表です。

月次決算の中で試算表が出る位置: 証憑を集める、記帳する、残高を照合する、月割り計上をする、締め後の試算表を出す
月次決算の中で試算表が出る位置

月次決算は5つの段階で進みます。証憑を集める、記帳する、残高を照合する、月割り計上をする、締め後の試算表を出す、の順です。

途中でも試算表は出せます。記帳の後に出す試算表は、照合の前の確認用です。経営判断に使ってよいのは、最後の段階で出した試算表だけと考えてください。

締め後の試算表は、月次の報告書の元になります。報告書の書き方は月次決算報告書の書き方にまとめています。締め後の試算表を前月・前年同月・予算と比べる手順は、月次決算の分析方法で解説しています。

法律は試算表の様式までは定めていません。会社法の第432条が求めるのは、適時に、正確な会計帳簿を作ることです。中小機構のJ-Net21も、経営状況をつかむ前提として記帳を挙げています。毎月締めるかどうかは、会社が決めることです。

締め後の試算表か見分ける5つの確認点

手元の試算表が締め後のものかは、通帳残高・売掛金・減価償却・未払・締め日の5点を見れば分かります。

試算表についてのよくある誤解: 試算表が出たら月次決算は済んだは誤解で、照合と月割り計上の後の表だけが締め後の試算表
試算表についてのよくある誤解

社長が試算表を受け取ったら、次の5つを順に確かめてください。1つでも「いいえ」なら、その表は締める前の試算表です。

  1. 現金・預金の残高が、月末の通帳と一致しているか
  2. 売掛金と買掛金の残高が、取引先ごとの未入金・未払の一覧と合うか
  3. 減価償却費が、毎月同じくらいの金額で入っているか
  4. 賞与や固定資産税など、年に1回払う費用が12分の1ずつ入っているか
  5. 毎月同じ締め日に出ているか

3と4が入っていない試算表では、払った月だけ利益が大きく減ります。利益が月ごとに大きく上下する試算表は、まず月割り計上の有無を疑ってください。

5つを毎月そろえる工程は、月次決算早期化チェックリストで工程ごとに確かめられます。

締める前の試算表で起きる失敗例

締める前の試算表をそのまま経営判断や金融機関への説明に使うと、後から数字を出し直すことになります。

当社は補助金を使った会計ソフトの導入支援を手がけており、中小企業が経理のどこでつまずくかを申請の現場で見てきました。会計ソフトを入れた直後の会社でよく見るのが、ここで挙げる失敗です。

起きることは、こうです。賞与を払った月に試算表が大きな赤字になり、社長が慌てて経費を止めます。翌月は一転して黒字になり、どちらが実態か分からなくなります。

原因は、試算表を出した時点で月次決算が済んだと扱ったことです。賞与を12分の1ずつ計上する月割りが抜けていました。

避け方は、試算表に「締め後」と「締め前」の区別を付けることです。上の5点を満たした表だけを「締め後」と呼び、社外に出すのも締め後の表に限ります。

注意: 締める前の試算表を金融機関に出すのはNG
融資の相談では、直近の試算表を求められることがあります。締める前の表を出すと、後で出す決算書と利益が食い違います。出す前に、5つの確認点を満たしているかを確かめてください。

経理担当が辞めたとき、残るのは試算表か月次決算か?

経理担当が辞めても試算表は会計ソフトから出せますが、月割り計上や照合の手順は担当者と一緒に抜けやすくなります。

関連する内容としてバックオフィスのコンサルが提案で終わる3つの原因も公開しています。

当社には、経理担当が離職した大手コンサル会社から、経理BPOを導入したいという問い合わせがあり、契約を結びました。同じような問い合わせは増えていると感じています。

当社では、担当者が辞めた直後の会社には、試算表を出せるかより先に、締めの手順が残っているかを確かめます。会計ソフトがあれば表は出ます。しかし、何をいつ月割りで計上するかは、担当者の頭の中にしか無いことが多いためです。

退職の直後にやることは経理担当者の退職対応にまとめています。まずは、上の5つの確認点を手順書の1枚目に書き出してください。

月次決算を社内で回すか、外に任せるか?

締め日が毎月守れていて5つの確認点を満たせるなら社内で回し、締めが遅れる原因が人手なら外に任せる、が分かれ目です。

社内で回してよい会社は、毎月同じ締め日に5つの確認点を満たした試算表が出ている会社です。この場合、足りないのは報告の型だけです。

外に任せる候補になる会社は、試算表は出ているのに締め日がずれる会社や、担当者が1人で休めない会社です。締めを早める社内の打ち手は月次決算の早期化とは?中小企業ができる5つの方法にあります。

経理代行を担当した9社では、月次の締めが平均で翌月20日から翌月8日に、約12日早まりました(2023年4月〜2026年9月。最も早い会社は翌月5日)。

2023年4月から2026年9月までに経理代行・記帳代行を担当した会社は48社で、そのうち31社は継続中です。個社差が大きい数字です。経理BPOの仕組みは経理BPOとは?メリット3つと費用相場で解説しています。

一方で、取引が月に数件で、社長自身が通帳と試算表を毎月見て判断できている会社には、外部委託は向きません。自社と税理士だけで足ります。

自社の締めのどこで日数がかかっているかは、経理の現状分析(無料)からご相談いただけます。

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よくある質問

月次決算と試算表の一番の違いは何ですか?

月次決算は毎月の数字を確定させる締めの作業で、試算表はその作業の中で作る勘定科目ごとの集計表です。

試算表を毎月出していれば月次決算をしていることになりますか?

なりません。残高照合と減価償却などの月割り計上を済ませた後の表でなければ、月の損益が実態とずれます。

月次決算のどこまでを自社でできますか?

証憑の整理・記帳・通帳の残高照合までは自社でできます。月割り計上も手順書があれば社内で回せます。

経理BPOに頼むと何をしてもらえますか?

証憑の回収・記帳・残高照合・月割り計上を任せられ、毎月決まった日に締め後の試算表を受け取れます。

外に任せるとどのくらいで締めが早くなりますか?

当社が経理代行を担当した9社では、月次の締めが平均で翌月20日から翌月8日に早まりました。個社差は大きいです。

外部委託が向かないのはどんな会社ですか?

取引が月に数件で、社長自身が通帳と試算表を毎月見て判断できている会社は、自社と税理士だけで足ります。

経理・バックオフィスの外部委託についてご相談いただけます。

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まとめ: 試算表を「締め後」と「締め前」に分ける

月次決算と試算表の違いは、数字を確定させる作業か、その途中や最後に出す集計表かです。経営判断に使えるのは、照合と月割り計上を終えた締め後の試算表だけです。

今日できる一歩は、手元の最新の試算表で、現金・預金の残高が月末の通帳と一致しているかを確かめることです。合っていなければ、その表はまだ締める前の試算表です。

まずは、無料相談から。

「何から始めればいいか分からない」段階のご相談こそ歓迎です。現状を伺い、貴社に合う打ち手を持ち帰りいただけます。