請求書発行代行の手数料は、発行のみを任せる場合で1通10〜50円、郵送まで任せる場合で1通125〜500円が相場です。与信保証まで含む請求代行になると、金額ではなく請求額に対する手数料率0.5〜3.5%という別の仕組みが加わります。本記事では、手数料の内訳、発行代行と請求代行の違い、発行件数別の目安、手数料を抑えるコツ、代行への切り替え判断、選び方の注意点まで解説します。
この記事は、請求書発行の手間や郵送コストに悩み、代行サービスの利用を検討している中小企業の経営者・管理部門の責任者向けです。
※ 2026年9月時点の情報です。
この記事でわかること
- 請求書発行手数料の内訳(基本発行料・郵送代行料・オプション料)
- 発行代行と請求代行(与信保証付き)の料金の違い
- 発行件数別に見る手数料の目安
- 手数料を抑える3つのコツと代行に切り替える判断基準
請求書発行の手数料相場とは?発行のみと郵送込みで違う
請求書発行代行の手数料は、発行のみで1通10〜50円、郵送込みで1通125〜500円が目安です。
請求書発行代行とは、取引先へ送る請求書の作成・印刷・封入・郵送といった発行業務を、外部のサービスや会社に委託することです。入金確認や督促までは含まれないプランが中心です。
経理外注全体の費用感は経理外注の費用相場|依頼先4タイプの料金にまとめています。請求書発行はその中でも、範囲が絞られた業務です。
PRONIアイミツが公開する「請求代行サービスの手数料はどれくらい?」によると、請求書1枚あたりの発行手数料は10〜50円程度が相場とされています。件数が増えるほど、1枚あたりの単価が下がる代行会社もあります。
| 依頼内容 |
料金相場 |
| 発行のみ(PDF作成・送信) |
1通10〜50円 |
| 郵送代行込み |
1通125〜500円 |
| 与信保証・入金保証付き |
請求額の0.5〜3.5% |
料金差の理由は単純です。作業範囲が広がるほど、手数料も比例して上がります。契約前に、どこまでの作業を含むプランなのかを確認してください。
料金相場に幅がある理由は、事業の取引先数や発行形式によっても変わるためです。取引先ごとに書式や添付書類の指定が異なる業種は、確認作業が増える分だけ単価が上がりやすくなります。
見積もりを取るときは、自社の発行形式(PDF送付のみか、紙の郵送も必要か)を先に整理しておくと、複数社を同じ条件で比較しやすくなります。
請求書発行手数料の内訳|基本料金・郵送代行・オプション
発行手数料は、基本発行料・郵送代行料・入金確認などのオプション料の3つで構成されます。
発行手数料を構成する3つの要素
基本発行料は、請求書データの作成と送信にかかる費用です。クラウド上でPDFを発行し、取引先へメール送付するだけなら、この費用のみで済むサービスもあります。
郵送代行料は、紙の請求書を印刷・封入・投函する作業の費用です。サービスによる金額差が大きく、比較の軸になる項目。
meetsmoreが公開する「請求書発行代行サービス14選」では、郵送代行の単価がサービスごとに紹介されています。MakeLeapsが195円、Misocaが210円、ivoxが172円〜、Paidが125円という水準です。
| サービス |
初期費用 |
月額基本料 |
郵送代行単価 |
| MakeLeaps |
0円 |
0円〜 |
195円 |
| Misoca |
0円 |
8,800円〜 |
210円 |
| ivox発行請求書 |
0円 |
0円〜 |
172円〜 |
| 楽楽明細 |
10万円 |
2万5,000円〜 |
ー |
楽楽明細は初期費用10万円・月額2万5,000円〜と、大量発行の企業向けの料金体系です。一方でMakeLeapsやivoxのように初期費用0円・従量課金中心のサービスもあり、発行件数に応じて向き不向きが分かれます。
オプション料は、入金確認・督促・電話対応など、発行以外の作業を追加した場合に発生します。必要な範囲だけを選べるかどうかも、比較のポイントです。
具体的には、入金消込の代行、未入金先への督促連絡、請求書のPDF保管・再発行対応などがオプションに含まれることが多くあります。督促連絡は特に、対応する担当者の負担が大きい業務です。
自社で対応が難しい業務から優先的にオプションへ回すと、コストを抑えながら負担を減らせます。全項目をまとめて依頼するより、必要な業務だけを積み上げるほうが総額を管理しやすくなります。
請求書発行代行と請求代行(与信保証)の違い
発行代行は作業そのものの外注で、請求代行は与信保証まで含み手数料率で料金が決まる点が違います。
請求代行(与信保証付き)とは、請求書の発行に加えて、取引先が支払わなかった場合の未回収リスクを代行会社が引き受けるサービスです。手数料は金額ではなく、請求額に対する率で決まります。
当社は補助金を使った会計ソフト・受発注ソフトの導入支援を手がけています。請求書発行の外注を検討する企業から「発行だけ頼みたいのに、気づいたら与信保証込みのプランを勧められた」という相談を受けたことがあります。
b2b-kessai.jpが公開する「マネーフォワード掛け払いの手数料・対応条件まとめ」によると、入金保証つきプランの手数料率は0.5〜3.5%とされています。
| 項目 |
発行代行 |
請求代行(与信保証付き) |
| 主な業務 |
発行・郵送作業のみ |
発行+未回収リスクの引き受け |
| 料金体系 |
1通あたりの固定単価 |
請求額に対する手数料率 |
| 向いている状況 |
発行作業だけ減らしたい |
取引先の与信管理も任せたい |
| 入金保証 |
なし |
あり(プランによる) |
未回収リスクを負いたくないだけなら、発行代行で十分なケースが多くあります。与信保証が必要かどうかを先に決めておくと、契約後の想定外の手数料を防げます。
見積書に「手数料率」という表記があれば、それは請求代行型のプランです。「1通あたり◯円」という表記なら発行代行型と判断できます。料金表の見方を知っておくだけで、比較の時間を大きく短縮できます。
新規取引先が多い業種ほど、与信保証の必要性は高まります。既存取引先が中心で支払い実績が積み上がっている場合は、発行代行のみで運用できることが多いです。
外注費として計上する請求書の扱いは外注費の請求書の書き方でも解説しています。
発行件数別に見る手数料の目安と損益分岐
月間発行件数が50通を超えるあたりから、代行導入の費用対効果がプラスに転じやすくなります。
前述のPRONIアイミツの記事でも、月間の請求書発行件数が50通を超える場合に代行サービスの利用が勧められるとされています。1通あたりの単価と人件費を比べたときの目安です。
以下は、1通あたりの印刷・封入・宛名確認・投函に3〜5分かかるという前提で、当社が試算した目安です。実際の時間は書式の複雑さによって前後します。
| 月間発行件数 |
自社対応の目安時間(当社試算) |
代行の向き不向き |
| 20通以下 |
1時間程度 |
自社対応で十分 |
| 21〜50通 |
2〜3時間 |
検討ライン |
| 51〜100通 |
4〜6時間 |
代行が有利になりやすい |
| 101通以上 |
8時間以上 |
代行前提で設計 |
時給換算した人件費が代行の手数料を上回るなら、切り替えを検討する段階に来ています。
件数が少ないうちは、電子請求書に絞って郵送そのものをなくす方法も有効です。詳しい手順は請求書電子化の進め方にまとめています。
自社対応の時間には、印刷・封入以外にも見えにくいコストがあります。切手代・封筒代・宛名ラベル代といった消耗品費は、件数が増えるほど積み上がる負担。
さらに、発行後の控えを紙で保管する場合は、保管スペースや検索の手間もかかります。件数だけでなく、こうした周辺コストも含めて比較すると、代行への切り替え効果をより正確に見積もれます。
請求書発行の手数料を抑える3つのコツ
電子請求書への切替、料金プランの見直し、複数社比較の3つで手数料は抑えられます。
第一に、郵送を電子請求書へ切り替えます。メール送付やクラウド共有に切り替えれば、郵送代行料そのものがかからなくなります。取引先の合意が前提ですが、削減効果は最も大きい方法です。
第二に、発行件数に合った料金プランを選びます。件数が少ないうちは従量課金、件数が多いなら固定月額のほうが総額を抑えられることがあります。
第三に、複数社から同じ条件で見積もりを取ります。発行のみか郵送込みかをそろえたうえで比較しないと、料金差の理由が見えません。
当社は会計ソフトの導入支援を通じて、紙の請求書発行から電子請求書へ切り替える相談を、申請支援の現場でよく受けます。切り替えの初期対応に戸惑う担当者が多い印象です。
取引先の中に電子化を歓迎しない相手がいる場合は、全件を一気に切り替えるのではなく、対応可能な取引先から段階的に移行する進め方も選択肢です。一部だけでも郵送をなくせれば、その分の手数料は確実に減ります。
請求書発行を代行に切り替える判断基準3つ
発行件数、郵送コストの負担感、与信管理の要否の3つが切り替えの判断基準になります。
発行代行への切り替え3ステップ
1つ目は、月間の発行件数です。50通を超えるあたりが検討ラインになります。
2つ目は、郵送コストの負担感です。印刷代・封筒代・切手代に加え、投函までの人件費を合計すると、想像より高くつくケースがあります。
3つ目は、与信管理の要否です。新規取引先が多く、未回収リスクが気になるなら、発行代行ではなく請求代行を検討してください。
この3つを1行ずつ書き出すだけで、必要なプランの種類は自然と絞れます。書き出す前に相見積もりを取ると、条件がそろわず比較しづらくなる点に注意してください。
基本の発行手順そのものを見直したい場合は、請求書の発行のやり方|必須6項目と基本4ステップを先に確認しておくと、代行に切り替えたときの過不足に気づきやすくなります。
請求書発行代行選びで注意したい3つの落とし穴
発行範囲の未確認、与信保証の見落とし、契約期間の縛りの3つが主な落とし穴です。
発行代行選びのNGとOK
注意: 発行範囲を確認せず契約しない
「発行のみ」のつもりで契約したのに、郵送や入金確認が別料金だったという行き違いがあります。契約前に、どこまでが基本料金に含まれるかを書面で確認してください。
1つ目の落とし穴は、発行範囲を確認せず契約することです。基本料金に郵送が含まれるのか、別料金なのかで総額は大きく変わります。
2つ目は、与信保証の有無を見落とすことです。手数料率型のプランを発行代行だと思い込んで契約した末の、想定外の高額請求。
3つ目は、契約期間の縛りです。年間契約のほうが単価は下がりやすい一方、途中解約に違約金が発生する会社もあります。
国税庁の適格請求書等の記載事項では、請求書に必要な項目が6つ定められています。代行サービスのテンプレートがこの6項目に対応しているかも、契約前に確認しておきたい点です。
私も過去に、料金の安さだけで代行会社を選んだ経営者から「郵送のたびに追加料金がかかっていることに半年気づかなかった」という相談を受けたことがあります。月次の明細を確認する習慣も、あわせて持っておくと安心です。
自社の経理のどこに時間がかかっているかは、経理の現状分析(無料)からご相談いただけます。ご契約を前提としたご案内ではありません。
よくある質問
請求書発行代行の手数料相場はいくらですか?
発行のみの代行で1通10〜50円、郵送まで含めると1通125〜500円が目安です。
請求書発行代行と請求代行はどう違いますか?
発行代行は作業の外注で、請求代行は与信保証を含み手数料率0.5〜3.5%が中心です。
請求書発行の手数料はどんな内訳ですか?
基本発行料・郵送代行料・入金確認などのオプション料の3つで構成されます。
発行件数が少なくても代行を使うべきですか?
月間発行件数が50通を超えるあたりから代行の費用対効果がプラスに転じやすくなります。
請求書発行の手数料を抑える方法はありますか?
電子請求書への切替、件数に合った料金プランの選択、複数社比較が有効です。
郵送代行の料金はどのくらいですか?
サービスにより125円〜500円程度と幅があり、速達や同封物の有無で変わります。
まとめ: 請求書発行の手数料は「発行範囲」で最初に絞り込む
請求書発行代行の手数料は、発行のみか郵送込みか、与信保証を含むかで料金の仕組みごと変わります。金額の安さだけで比較せず、含まれる作業範囲をそろえたうえで判断することが失敗しない選び方です。
自社の発行件数でどのくらいの費用感になるか分からない場合は、経理BPOの無料相談で概算を確認することもできます。まずは月間の発行件数を数えるところから始めてください。
発行代行と請求代行のどちらが向いているかも、契約前に整理しておきたいポイントです。取引先との与信管理まで含めて任せたいのか、発行作業だけを外に出したいのかで、選ぶべきプランは変わります。判断に迷う場合は、両方のプランを扱う会社に相談し、自社の取引パターンに合わせた見積もりを2種類もらうと比較しやすくなります。