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請求書の記帳で間違えやすい計上日|発行側・受取側の仕訳と失敗4つ

請求書の記帳は、請求書の日付ではなく商品の引渡しやサービス提供の日に売掛金・買掛金で計上し、入金や支払の日に消します。発行側と受取側の仕訳、当社が経理代行の7社で直した誤り約90件の内訳、インボイスと保存の注意を2026年10月時点でまとめました。

請求書の記帳で間違えやすい計上日|発行側・受取側の仕訳と失敗4つ

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請求書の記帳は、請求書の日付ではなく、商品を引き渡した日やサービスを終えた日に売掛金・買掛金で計上し、入金や支払の日に消す2段階で行います。法人はこの形が原則で、入金した日にだけ記帳すると月ごとの売上と費用がずれます。個人事業主は、条件を満たせば入金の日に記帳する特例を選べます。

この記事は、請求書を自社で発行・受け取りしていて、どの日付で何の科目に記帳するか迷っている中小企業・個人事業主の経理担当者向けです。

※ 2026年10月時点で国税庁の公開資料を確認した情報です。税制は改正されることがあるため、申告の前には最新の案内を確かめてください。

この記事でわかること
  • 請求書を記帳する日の決め方(法人・個人・現金主義の特例)
  • 発行した請求書と受け取った請求書の仕訳
  • 当社が経理代行の7社で直した誤り約90件の内訳
  • 記帳した請求書の保存と、自社で続けるか任せるかの分かれ目

請求書を記帳する日は請求書の日付ではなく取引の日

請求書を記帳する日は、法人なら請求書の発行日ではなく、商品の引渡しやサービス提供を終えた日です。

請求書の記帳とは、請求書に書かれた取引を、売掛金・買掛金などの科目で帳簿に入力することです。入金や支払を待たずに、取引が起きた月の帳簿に載せます。

法人の売上は、引き渡した日の属する事業年度に計上します(法人税法第22条の2)。月末締めで翌月5日に請求書を出しても、売上は前の月の帳簿に入ります。

事業の形ごとの売上を記帳する日: 法人と個人の原則は引渡し・提供の日に売掛金で計上、現金主義の特例を選んだ個人は入金の日に売上を計上
事業の形ごとの売上を記帳する日
事業の形 売上を記帳する日 請求書の扱い
法人 引渡し・提供の日 売掛金で計上し、入金で消す
個人事業主(原則) 引渡し・提供の日 売掛金で計上し、入金で消す
個人事業主(現金主義の特例) 入金の日 入金した日に売上を記帳

個人事業主の現金主義の特例は、前々年分の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下の青色申告者だけが選べます。国税庁の手続案内によると、届出の期限は適用したい年の3月15日です。国税庁のタックスアンサーのとおり、特例を選ぶと55万円の青色申告特別控除は受けられません。

特例の条件に当てはまらないなら、請求書は取引の月に売掛金・買掛金で記帳してください。

条件に当てはまる個人事業主は、55万円の控除を使うなら原則のままが得です。控除を手放す損は、課税所得が下がる効果を失うことなので、入力の手間が減る分と、控除の減る額を自分の所得で比べてください。売掛金の管理に手が回らず、入金の日だけで記帳したいときに限り、控除を手放して特例を選ぶ価値があります。条件の読み方に迷うときは、前々年の所得と届出の期限を確かめたうえで税理士に聞いてください。

経理のセルフチェック(全5問・無料・登録不要)

Q1経理の作業が、1人の担当者(または兼任の人)に集まっていますか?

答えると残りの4問へ進み、経理のうち外に出せる範囲の目安が出ます。答えはどこにも送信しません。

請求書を発行したときの記帳は売掛金から入金へ

発行した請求書の記帳は、取引の日に「売掛金/売上」、入金の日に「普通預金/売掛金」と2回入力します。

関連する内容として請求書の三つ折りのやり方|向きを間違えない3ステップも公開しています。

10月31日に納品し、11月5日に請求書を出し、11月30日に入金された例で見ます。

日付 借方 貸方 何をしたか
10月31日 売掛金 売上 納品した日に売上を計上
11月30日 普通預金 売掛金 入金で売掛金を消す

振込手数料が引かれて入金されたときは、差額を支払手数料にします。差額を売上から減らすと、請求書と帳簿の金額が合わなくなります。

値引き・相殺・一部入金で金額が合わないときの請求書の仕訳は、場面ごとの仕訳例にまとめています。

入金の照合は、請求書の番号ごとに売掛金を消していくと漏れが出ません。未回収の追い方は売掛金の管理方法と未回収を防ぐ手順で解説しています。請求書の作り方そのものは請求書の発行のやり方と必須の6項目をご覧ください。

経理を外に出すか迷っている方へ

どこまで外に出せるかを、現状を伺って切り分けます

記帳・請求・支払・給与のうち、外に出せる範囲と社内に残す範囲を、無料の相談で整理します。当社は2023年4月から2026年9月までに、経理代行・記帳代行を48社で担当しました。

請求書を受け取ったときの記帳は買掛金・未払金から支払へ

受け取った請求書の記帳は、物やサービスを受け取った月に「費用/買掛金・未払金」、支払の日に「買掛金・未払金/普通預金」と入力します。

関連する内容として請求書チェックの効率化も公開しています。

商品の仕入れは買掛金、それ以外の経費は未払金で記帳するのが一般的です。請求書が月をまたいで届いても、計上する月は納品や作業が終わった月です。

受け取った請求書を記帳する流れ: 納品と請求書を突き合わせる、登録番号と税率を確かめる、買掛金か未払金で計上する、支払った日に消す
受け取った請求書を記帳する流れ

受け取った請求書は、次の4つの順で処理すると、二重払いと計上漏れの両方を防げます。

  1. 納品書や作業の完了と、請求書の金額を突き合わせる
  2. 登録番号と税率ごとの金額を確かめる
  3. 取引の月で、買掛金か未払金として記帳する
  4. 支払った日に、買掛金・未払金を消す

請求書が届く前に支払った場合は、支払った日に前払金で記帳します。請求書と納品を確かめた月に、費用の科目へ振り替えてください。支払の方法と期日の決め方は請求書の支払いのやり方と60日ルールにまとめました。

請求書の記帳で起きやすい仕訳の誤り4つ

請求書の記帳で多い誤りは、外注費と給与の区分・備品の消耗品処理・前払費用の計上漏れ・源泉徴収の漏れの4つです。

あわせて個人事業主の外注費の請求書で見落とす3点もご覧ください。

2023年4月から2026年9月までに経理代行で担当した7社で、私たちが実際に直した仕訳の誤りは年間約90件でした。年間約90件は、経理代行の7社を合わせた1年あたりの件数で、期間全体の合計ではありません。

内訳は、外注費と給与の区分(約40件)、資産に計上すべき備品の消耗品処理(約25件)、前払費用の計上漏れ(約15件)、源泉徴収の漏れ(約10件)です。

経理代行の7社で直した仕訳の誤り(年間): 外注費と給与の区分40件、備品の消耗品処理25件、前払費用の計上漏れ15件、源泉徴収の漏れ10件
経理代行の7社で直した仕訳の誤り(年間)

4つの誤りは、どれも請求書の品名や金額だけを見て記帳したときに起きています。原因と避け方は次のとおりです。

誤り 起きた原因 避け方
外注費と給与の区分 毎月同じ人から同額の請求書が届く 契約書で指揮命令と時間の拘束を確かめる
備品の消耗品処理 請求書の品名が「備品一式」 1組の金額を見て、資産に当たるか分ける
前払費用の計上漏れ 年払いの保守料を払った月に全額計上 期間を書き出し、翌期分を前払費用にする
源泉徴収の漏れ 士業やデザイナーの請求書に源泉の欄が無い 個人への報酬かを先に確かめる

建設業の会社3社の経理代行で、実際に直した仕訳の誤りは接待交際費の扱いでした。私たちは請求書の品名だけで科目を決めず、相手先と使った目的を依頼元に確かめてから直しています。品名が同じ飲食代でも、目的で科目が変わるためです。

判断は、相手先が取引先で事業のための支出なら接待交際費、社内だけの飲食なら別の科目として分けます。迷う1件は、相手先と目的を摘要に書き残してください。

外注費と給与の区分も同じで、契約書に指揮命令や時間の拘束があるかで決めます。自分で決めてよいのは、契約書と実態が一致している場合です。実態が給与に近く迷うなら、税理士に聞いてください。

外注費の請求書で起きる誤りは外注費の請求書の仕訳で起きる誤り4つで詳しく解説しています。誤りを見つけた後の直し方は仕訳ミスを防ぐ方法と原因別の対策をご覧ください。

インボイス制度で請求書の記帳に増えた確認

インボイス制度の下では、受け取った請求書を記帳する前に、登録番号と税率ごとの消費税額を確かめる作業が加わりました。

2023年4月から2026年9月までにインボイス制度に対応した経理代行の22社で、請求書の記帳時に起きた問題は次の3つです。

  • 登録番号の記載が無い請求書の受け取り(約30件)
  • 免税事業者の外注先への対応の相談(8社)
  • 経過措置の税率の計算ミス(約12件)

最初と最後は請求書の件数、真ん中は相談があった社数です。数える単位が違うため、3つを大小で比べないでください。

最も多かった登録番号の抜けは、記帳の時点で止めれば発行元への差し替え依頼で済みます。支払の後に気づくと、取引先との連絡が締めに間に合わないことがありました。記載事項の確かめ方は適格請求書の要件6項目と受領時の確認にまとめています。

注意: 登録番号の無い請求書を、そのまま記帳しない
登録番号の無い請求書は、仕入税額控除の計算が通常の請求書と変わります。記帳する前に発行元へ確かめ、免税事業者からの請求書かどうかを摘要に残してください。

記帳した請求書の保存は紙とPDFで扱いが違う

記帳した請求書は、紙で受け取ったものは紙のまま、PDFやメールで受け取ったものはデータのまま保存します。データは、検索できる状態と、改ざんされていない状態で残すのが条件です。

受け取り方 保存の形 気をつける点
紙 紙のまま 記帳した月ごとにファイルへ綴じる
PDF・メール データのまま 検索できる名前で、訂正の履歴が残る形にする

法人の帳簿書類の保存期間は、国税庁のタックスアンサーで、確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。青色申告で欠損金が出た事業年度は10年間になります。

PDFで受け取った請求書は、電子帳簿保存法の電子取引に当たります。国税庁の電子帳簿保存の案内は、紙に印刷すること自体は禁止していません。ただし、データで受け取った請求書は、データもルールに沿って保存するよう求めています。

PDFを印刷して記帳し、メールを消してしまう運用はNGです。記帳した日に、PDFを「日付_取引先_金額」の名前で1つのフォルダへ移しておくと、後で探せます。

請求書の記帳を自社で続ける会社・任せる会社

請求書の記帳を自社で続けるか外へ任せるかは、月に扱う請求書の枚数と、締めの日が守れているかで決めてください。

2023年4月から2026年9月までに、当社は請求書の発行代行を18社、受け取り・支払処理の代行を25社で担当しました。扱う枚数は1社あたり月20〜150枚で、全体で月約1,800枚です。当社の判断では、この下限の月20枚に届かない会社は、自社で記帳を続けても手間が膨らみにくいと考えています。

仮に受け取りと発行を合わせて月60枚あり、1枚の照合と記帳に5分かかるなら、それだけで月5時間です。この時間を担当者が本来の業務から削れているかを、まず数えてみてください。

  • 月の請求書が20枚未満で、締めが翌月10日までに終わっているなら、自社で続けてください。会計ソフトの銀行連携を先に整えるほうが効きます
  • 月20枚以上で、締めが翌月20日前後までずれ込むなら、受け取りと記帳だけを外に任せることを検討してください
  • 担当者が1人で、休むと請求書の処理が止まるなら、記帳の手順を書き出して、引き継げる形にすることを先に進めてください

3つの分かれ道に複数当てはまるときは、担当者が1人の問題を最初に片づけてください。手順が書き出されていないと、自社で続けるにも外に任せるにも引き継ぎができないためです。

任せる費用は、人件費と比べて決めます。仮に社内の担当者が月10時間を請求書の記帳に使うなら、年では120時間です。

この時間に担当者の時給をかけた額と、外に任せる見積りを並べて見てください。見積りが人件費より低く、締めも早まるなら任せる側に倒します。見積りの相場は、下に挙げた費用相場の記事で確かめられます。

当社が月20枚を目安にする理由は、1社あたり月20〜150枚という実績の下限だからです。仮に1枚5分なら、月20枚は約1.7時間で、担当者の負担は軽く済みます。

失敗しやすいのは、枚数だけで決めて締めの遅れを見ないことです。確かめ方は、先月の締めが終わった日を会計ソフトの最終入力日から読むことです。

外に任せた会社の締めは早まっています。経理代行を担当した9社では、月次の締めが平均で翌月20日から翌月8日に、約12日早まりました(2023年4月〜2026年9月。最も早い会社は翌月5日)。銀行・カードの連携とExcelの手入力からの切り替えを行った15社では、入力作業が月平均20時間から6時間になりました。締めの9社と入力作業の15社は社数の違う別の集計なので、足し合わせずに読んでください。

一方で、任せても解決しない会社もあります。2023年4月から2026年9月までに経理代行の依頼をお断りした・合わなかった例は7件でした。理由は、現金取引が中心で証憑がそろわない(3件)、決算直前の丸投げで期限に間に合わない(2件)、税務の判断まで求められた(2件)です。

請求書や領収書が手元に残っていない会社には、経理代行は向きません。外に任せるのは見送り、先に証憑を集める仕組みを作ってください。決算の直前に初めて頼む場合も、その期は顧問の税理士に相談するほうが間に合います。

税務の判断は税理士の業務です。手がいっぱいの税理士事務所から、業務を分担できないかという問い合わせをいただき、私たちは記帳を担う形で提携を結びました。顧問の税理士がいる会社なら、記帳だけを分けて任せる形も選べます。費用の目安は記帳代行の費用相場と依頼先別の料金をご覧ください。

まず、先月に受け取った請求書と発行した請求書の枚数を数え、締めが何日に終わったかを確かめてください。枚数が月20枚未満で締めが翌月10日までなら自社で続け、月20枚以上で締めが遅れているなら前の分かれ道で任せる範囲を決めます。

AIに聞いて経理代行の依頼先を探すときの出典の偏り

AIに依頼先を聞くと、出典は経理代行会社の公式サイトに偏るため、税務の判断は自分で確かめる必要があります。

当社は2026年10月に、2つのAI(ChatGPT・Claude)へ経理代行・記帳代行に関する質問を50問聞き、答えの出典668件を種類ごとに数えました。

経理代行会社を探す質問では、出典の28.8%が比較・紹介サイト、56.1%が経理代行会社の公式サイトでした(業種調査)。費用や選び方を調べる質問では、回答の85.0%が公式サイトを1つ以上出典にしていました。

本記事の論点も同じ2つのAIで確かめました。当社は2026年10月に、2つのAI(ChatGPT・Gemini)へ本記事の論点5問を聞き、答え10件を数えました。10件の答えのうち、触れていたのは専門家への相談は1件、進め方の手順は2件、期間は6件でした(出典: 当社調べ)。

同じ調べでは、答えの出典に挙がったページは15件でした。公的機関・学会・業界団体が1件、ニュース・メディア・まとめが0件、ポータル・比較サイトが3件です。AIの答えは税理士への相談に触れることが少ないので、税務の判断が要る場面は自分で確かめてください。

よくある質問

請求書の記帳は、請求書の日付で行えばよいですか?

法人は請求書の日付ではなく、商品を引き渡した日やサービスを終えた日で売上や費用を記帳します。

個人事業主でも、請求書を出した時点で記帳が必要ですか?

原則は必要です。前々年の所得が300万円以下の青色申告者は、届出で入金時の記帳を選べます。

請求書が届く前に支払った場合は、どう記帳しますか?

支払った日に前払金などで記帳し、請求書と納品を確かめた月に費用の科目へ振り替えます。

記帳した請求書は、何年保存すればよいですか?

法人は申告期限の翌日から7年で、青色の欠損金が出た年は10年です。PDFはデータのまま保存します。

請求書の記帳を経理代行に頼むと、どこまでしてもらえますか?

当社では受け取りと支払処理、請求書の発行、仕訳の入力を担当します。税務の判断は税理士が行います。

まとめ: 請求書の記帳は取引の日と入金・支払の日の2回で行う

請求書の記帳は、取引の日に売掛金・買掛金で計上し、入金や支払の日に消す2回の入力が基本です。個人事業主で現金主義の特例を選んだ場合だけ、入金の日の1回で記帳できます。

記帳の前に、納品との突き合わせ・登録番号・税率の3つを確かめると、誤りの多くは帳簿に入る前に止まります。請求書の枚数が増えて締めが遅れているなら、受け取りと記帳だけを任せる方法も含めて、経理BPOの無料相談でご相談ください。

まずは、無料相談から。

「何から始めればいいか分からない」段階のご相談こそ歓迎です。現状を伺い、貴社に合う打ち手を持ち帰りいただけます。